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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年05月22日
こんにちは、医師の平島です。
コロナウィルスいよいよ感染者も激減しており、第1の「収束」に向けて加速しているようですね。
コロナウィルスなどの感染症に対する
「収束」と「終息」
は意味が違うことご存じでしょうか?
「収束」は混乱した状態がいったん落ち着くこと
「終息」は混乱した状態が完全に終わること
を意味しています。
新型コロナウィルスは季節性に流行するかどうかはまだ分かっていませんが、インフルエンザなどの季節性に流行する感染症は基本的にはゼロにはなりませんので、ある程度感染拡大が落ち着く「収束」を目指すことになります。
世界中の国々も現在は新型コロナウィルスに対して、この「収束」を目指して都市封鎖をしたり、外出自粛をしたり様々な対応をしています。
では、最終的にどのような状態になれば「収束」となるのでしょうか?
それは全世界の人が
集団免疫を獲得する。
すなわち、集団の中で50〜70%の人が免疫抗体を獲得するということです。この状態になるには3種類の方法が考えられます。
①全世界の人の50〜70%の人が新型コロナウィルスに感染して免疫抗体を獲得する
②全世界の人の50〜70%の人が効果的なワクチンを接種して免疫抗体を獲得する
③気候などの自然環境やウィルスのライフサイクルなどの特性により自然にウィルスが淘汰されてしまう
何の対策もしないで①を遂行すると亡くなられる方も多く出るため、日本は②の作戦を遂行してワクチンができるまでの時間稼ぎに全力を注いでいる最中です。
①の作戦は、外出制限や自粛を行わず普段と変わらない日常をおくっているスウェーデンが現在遂行しておりますが、国内ではわずか7.3%の集団免疫しか獲得できていないという報道もありました。外出制限などを行っていない国でこれぐらいの感染率ということはウィルスの感染力はかなり低いのかもしれませんね。スウェーデンはウィルスから逃げも隠れもせず、ノーガードで打ち合いをしているイメージでしょうか、またはウィルスと共生するようなイメージでしょうか。厳格にロックダウンをしたイギリスと、何も制限をかけないスウェーデンでの人口100万人あたりの感染者がほぼ変わらないことにも興味が引かれます。
③が起こってくれるとうれしいのですが。
先日、クリニックのスタッフ全員でコロナウィルスの抗体検査を行いました。
クリニックは通常診療、通常内視鏡検査は継続して行っており、クリニック全体でできる限りの感染症対策を行い、スタッフ全員高濃度ビタミンC点滴を月に1回行ったり、ビタミンCとDのサプリメントを全員服用したりして、免疫力を下げないような努力を行っており現在も継続しております。
その甲斐もあり、抗体検査の結果
全スタッフコロナウィルスに感染した既往はありませんでした。過去に感染したことがないという検査結果でした。
今後も定期的に抗体検査を行っていこうと考えております。
とにかく、感染の予防の一番は
「手洗い」と「免疫力を下げない」
ですので、目や鼻などの顔触ったりする前には必ずこまめに「手洗い」をするように心がけましょう。
また、目に見えないウィルスを必要以上に恐れて逃げ回るよりは、自分の免疫力を下げないことに注力する方がよほど効率的だと思われます。我々も高濃度ビタミンC点滴、ビタミンC,Dのサプリメント摂取をしたり、十分な休養と栄養価の高い食事をするように心がけています。免疫を上げることにより、全身にシールドを付けているようなイメージでしょうか。
右側のIgG抗体のCのラインに線が入っているということはきちんと検体が採取できているという証です。
Tのところに紫色の線が入れば過去に感染していたということになります。
私は、Tのところに線がないので感染したことがないことが分かります。
感染初期にできるIgM抗体は感度(陽性を陽性と判定する精度)が低く、感染診断には適していません。
症状が出てから約2週間目以降では約97%が陽性になるというIgG抗体ですが、これがいわゆるコロナに感染した既往があるという
「抗体ができた、以前に感染したことがある」
という指標になるものです。
すでに感染した人の広がりを今後、自治体や国が調査しようとしているものがまさに
IgG抗体
です。
IgG抗体に関しての国立感染症センターの報告があります(キットによって精度は違うようですが)。
国立感染症センターの報告
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/9520-covid19-16.html