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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年09月29日
iPhoneやApple Watchなどのアップルの新製品が発表されるたびに欲しくてたまらなくなる「アップルマニア」であることに最近気づいた平島です。
人の身体には、
「身体を一定の状態に保つ」
というとても賢い働きがあります。
例えば風邪をひいたりしたときは、ウィルスや細菌が身体の中に入ってくることが多いですが、その際には熱を出してウィルスや細菌をやっつけようとして、元の状態に戻そうとしてくれます。
このような「身体を一定の状態に保つ、元の良い状態に戻す」働きを
「ホメオスターシス」
と言います。
もう一つの例えとして、
牛乳のカルシウムは身体に定着するのか?
ということをホメオスターシスの観点から説明してみます。
牛乳のカルシウムは吸収率がとても高く、90%以上あると言われています。ちなみに小魚などのカルシウムの吸収率は30%程度と言われています。
牛乳のカルシウムが吸収率が90%以上あるので、急激に体内に入ってきます。そうすると、身体の状態を一定に保とうとする「ホメオスターシス」の働きで急激に外に出そうと身体が反応します。そうするとオシッコとして体外に排出しようとして、その際に骨のカルシウムも一緒に排出してしまうと言われています。急激に入ってくるものは急激に排出する、これがホメオスターシスの原理です。逆に小魚などのカルシウムは吸収率が30%程度とゆっくりと吸収されますので、「ホメオスターシス」の原理が働かずに、外に出そうとせずにその分身体に定着しやすくなると言われています。
この原理から考えると、牛乳などの飲み過ぎはカルシウム不足になり、逆に骨粗鬆症へと導いてしまいますので、要注意です。小魚などのカルシウムでゆっくり吸収して「ホメオスターシス」の働きを回避して、カルシウムを定着させた方が良いですね。
ダイエットでもこの「ホメオスターシス」が邪魔になることがあります。食事制限などのダイエットをして1ヶ月ぐらいが経過して順調に体重が落ちているときに身体が「飢餓状態」にあると認識してしまいます。体重の約5%ぐらい(60キロの方だと3キロ体重が落ちたとき)落ちたときに「飢餓状態」と認識します。「飢餓状態」であるため、エネルギーをなるべく消費しないよう省エネモードに身体がなってしまいます。これも「ホメオスターシス」の働きのためです。
このような省エネモードが2,3週間続き、身体が「この状態が普通の状態なんだ」と認識し始めると徐々に省エネモードが解除されて、また体重が落ちてくるようになってきます。この省エネモードの時に体重が落ちないことに嫌気がさしてきてダイエットを止めてしまう方が多くいますので、ダイエットではこの省エネモードの2,3週間は辛抱強く我慢が必要な時になってきます。
このように人間の身体には一定の状態を保とうとする「ホメオスターシス」が良い方向に働くこともあれば、ダイエットには邪魔なこともあります。
このような原理を理解できると身体の様々な働きが論理的に理解できてきます。
カルシウム補給と小腹が空いたときに間食しています。