大腸CT検査と大腸内視鏡検査の比較！

こんにちは、緊急事態宣言の発令があり、スポーツジムが20時で閉まるようになってから思うように泳げていないことにとてもストレスを感じている平島です。

一昨日、診療が19時で終わり、ダッシュでジムに行き30分ほど泳いで、帰ろうとしていたら、受付に

22時まで営業時間延長しました

と書いてあり、うれしくて思わずガッツポーズをしてしまいました。

大腸カプセル内視鏡と大腸CT検査という検査の名前を聞いたことが最近多くなったのではないかと思います。

ある研究によると6mm以上の大腸ポリープの診断率は

大腸カプセル内視鏡で31.6％

大腸CT検査で8.6％

というデータもあります。

大腸内視鏡検査に比べるとかなり診断率が低いという印象ですね。

大腸CT検査は下の写真のように10mm以上あるボコッと膨れた「隆起型」のポリープを見つけることはなんとかできますが、

 

 

 

隆起型の15mmの大腸ポリープです。これぐらい隆起がはっきりしていると大腸CT検査でも発見可能です。

 

 

 

 

 

平坦な大腸ポリープや早期の大腸がんの診断率は極端に低くなり、ほぼ見つけることはできないと思います。最近の大腸内視鏡検査では、平坦型の大腸ポリープや早期大腸がんを見つけることが以前に比べて多くなってきている傾向がありますので、ここには注意が必要ですね。

 

平坦な大腸早期大腸がんが大腸内視鏡検査では捉えることができますが、これは大腸CT検査では100％捉えることができませんね。

 

 

 

 

 

 

 

インジゴカルミンという医療用色素を散布すると早期大腸がんが明瞭になってきますが、上の写真のように一見分からないものでも内視鏡検査者の眼力とハイビジョン内視鏡で見つけることができます。

 

 

 

 

 

 

人間ドックなどでも

「楽に大腸検査を行える！」

というキーワードで大腸CT検査を宣伝しているのを見かけることも多くなりましたが、実際の検査はどのように行われるのでしょうか？

大腸CT検査は名前のごとく、炭酸ガスで大腸を膨らませた状態でCT検査でお腹全体を撮影して、大腸の3次元画像を作成して画像の読影を後日行うという検査です。

大腸CTの検査方法の手順は

①検査前日に消化の良い検査食を食べることが多いです。

②下剤により完全に便を出さないため、残った便と大腸ポリープ、大腸がんを区別するために少量の造影剤を前日に服用します。

③寝る前に200〜400mlの下剤を服用して翌朝に便を出すようにします。

④検査当日は絶食となり、検査直前に大腸の動きを抑えるブスコパンを注射します。

⑤細いチューブを肛門から約5〜10cm挿入して、そのチューブから炭酸ガスを大腸内に注入していきます。仰向けとうつ伏せの2通りの体位でCT撮影しないといけないので、基本的に鎮静剤を使うことができませんので、お腹の膨張感や張りが強く感じられます

⑥1回の撮影で息止めが15秒ほどあり、うつ伏せと仰向けで2回撮影していきます。

⑦CT撮影で得た画像を解析処理していき、仮想の大腸内視鏡画像を作成して、放射線科のドクターが画像内にポリープやがんなどがないか読影していきます。

★大腸内視鏡検査のメリット・デメリット

メリット

①大腸ポリープや早期大腸がんを検査と同時に切除することができるため1回の検査で終了

②大腸CT検査では見つけられない小さい大腸ポリープや早期大腸がんを発見することが容易

③軽い鎮静剤を使ってウトウト眠ったまま検査が行えるので、検査が楽

④放射線被曝せずに大腸検査を行うことができる

デメリット

①完全に便を出し切らないといけないため、当日朝に洗腸剤を800〜1500ccほど服用しないといけない

★大腸CT検査のメリット・デメリット

メリット

①大腸内視鏡検査に抵抗があり、なんとなく楽にできそうだというイメージがあるので検査への抵抗感が少ない

デメリット

①6mm以上の大腸ポリープの診断率が10%以下ぐらいの精度であるため、6mm以下の大腸ポリープや早期大腸がんの発見はほぼ不可能

②診断能が明らかに低いため、大腸ポリープや早期大腸癌の見逃しの可能性がでてくる

③放射線被曝をするので被曝による発がんの問題がある

④うつ伏せと仰向けで撮影をしないといけないため、鎮静剤の使用ができないので、お尻にチューブを入れられる抵抗感と大腸に炭酸ガスを大量に入れる膨張感で苦しい検査となってしまう

⑤前日夜に下剤の服用と造影剤の服用をしないといけないため、検査後に造影剤の排出がなかなかできなくて苦しい思いをすることがある

⑥仮に大腸ポリープや大腸がんが見つかったら、後日大腸内視鏡検査を再度行わないといけないため2度手間になってしまう

これらのメリット・デメリットを考えるとやはり

大腸内視鏡検査を行う方が大きくメリットがありますね。

今日も天気が良いので、日中は軽く外で散歩などしてはいかがでしょうか！