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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年08月10日
こんばんは、暑い日が続いていますね、横浜院の平島です。
こんな暑い日は仕事終わりのビールやハイボールが美味しいですよね。
アルコールは飲み過ぎなければ、ある程度のリラックス効果もあり、自律神経に有効に働きます。
しかし、飲み過ぎてしまうと酩酊してしまい、さらにお酒の飲む量が増えていき、
翌日の二日酔い、下痢
などにつながっていきます。
飲み過ぎるとどうして下痢になるのでしょうか?
アルコールを大量に摂取すると
水分やナトリウムなどの電解質が大腸で吸収が不十分
になり、水分の吸収が出来にくくなるため、
浸透圧性の下痢
になってしまいます。
飲み過ぎた翌日は必ず下痢になるという方が多くいるのはこのような水分の吸収がうまく出来なくなり、下痢になってしまうからなのです。
大腸カメラの際に服用する
「洗浄剤」
もこのような浸透圧を利用して下痢の状態を作るので仕組みとしては似ています。
もう一つの原因としては
脂肪やタンパク質を上手く消化できなくなる
「消化能力の低下」
によって下痢が起こるパターンも存在しています。
長い間の飲酒習慣により膵臓や肝臓に負担がかかってくると、
肝臓から分泌される「胆汁」や膵臓から分泌される「膵液」の働きが悪くなり、
脂質やタンパク質を分解して、吸収する能力が落ちることによって下痢になってしまいます。
脂っぽい下痢便がでることから
「脂肪下痢便」
とも言われることもあります。
一番多いお酒による下痢のパターンとしては一番最初に挙げた
浸透圧性の下痢
その次には2番目の
脂肪下痢便
のパターンが多いと言われています。
大腸がんとアルコールの関係は
「確実」
ということが国立がん研究センター中央病院の研究ではっきりと分かっています。
アルコールは実は、
胃と小腸でほとんどが消化・吸収されてしまいますので大腸まで到達しません。
それでは、なぜ大腸がんとアルコールの関係が確実なのでしょうか?
アルコールは最終的に肝臓や筋肉で代謝されますが、その代謝されるまでの過程で毛細血管という普通の血管よりさらに細分化された細かい血管を通じて全身を巡りますので、大腸までアルコールが到達してしまうのです。
アルコールをある程度飲む習慣がある方は、我々も経験的に
大腸ポリープができやすい
ということを日々の内視鏡検査で体感しています。
アルコールを飲む習慣がある方は毎年の大腸カメラで大腸ポリープが見つかり切除されている方も多くいます。
アルコールだけが大腸がんの原因ではありませんし、
食生活の欧米化や運動不足、
乳製品の過剰摂取、
加工肉の過剰摂取
食物線維の摂取不足
腸内環境の悪化
などなど多岐にわたる原因がありますので、定期的に大腸内視鏡検査を行い、大腸がんになる前の大腸ポリープを切除してあげるのが最低限行っていかないといけない予防策かと思います。
大腸がんは大腸ポリープから成長することが多い
ため、
大腸ポリープを切除することは究極の大腸がん予防
になると言われている所以です。
定期的に大腸カメラを受けられることを強くお勧めします。私もそろそろ受けないと行けない時期なので、予約していきたいと思います。
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。