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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年02月07日
こんにちは、平島です。
今、福岡行きの飛行機の中でブログ書いています。意外に羽田空港は人が多くて、ガラーンとしているのかと思っていたので拍子抜けでしたね。
相変わらずテレビやネットニュースの報道では
「過去最多の感染者数更新!」
などという煽る報道の仕方をしていますが、中身はあまり報道しないんですね、相変わらず。
すでにピークアウトした沖縄県のデータなどを有効に活用する方がよっぽど効率的で効果的だと思いますが、政府もあまり参考にしていないようにも見えますね。
今でも発症2日前の濃厚接触者を血眼になって探していますが、国立感染症研究所が先日発表した論文によると、今回のオミクロン株のウイルス排出のピークは
発症後3〜6日
と書かれています。
ここで注目して欲しいのが
発症後
という文字です。
以前のデルタ株などは
発症2日前から発症後1、2日
がウイルス排出のピークとされていましので、
ウイルスの性質がかなり変わってきている
ものと思われます。
しかしながら、
厚労省の「診療の手引き」には今現在も
「感染可能期間は発症2日前から」
と
改定されずに書かれています。
そのため保健所は未だに発症2日前の濃厚接触者を血眼になって探さざるを得ないようです。お役所仕事の典型ですね。
この国立感染症研究所の発表した科学的データを元に考えると、
今回のオミクロン株では発症前の期間は考慮に入れなくても良いのではないか
と思います。
沖縄県専門家会議座長の藤田次郎先生もインタビュー記事で
「科学に基づいて考え方を変えれば「濃厚接触者」という概念はもう不要です。感染者が発症したとき、マスクを外して一緒に食事するなどしていた人だけが、5日間ほど健康管理をすればよいと思います。そうなると、「7日間待機」の意味も失われ、仕事を休む人もほとんどなくなり、社会の各方面でインフラが回復します。」
と述べています。
濃厚接触者
って不要な概念ですね。
国立感染症研究所が沖縄で行った調査によると濃厚接触者の発症は
すべて5日以内
だったとのことを考えても、濃厚接触者という概念を残すとしても、
濃厚接触者は5日間の待機
で良いと思われます。
1人の人が何人の人に感染させるかという指標の
実行再生産数
も全国で1月9日の
5.9
をピークに激減しています。
2月5日時点では
1.19
まで低下しており、
1を下回ったら陽性者数が減少に転じるという数値である
1
まであと僅かです。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
すでにピークアウトした沖縄県では1月20日に
0.98
と1を下回りましたし、実際の報告日ベースの陽性者数も
1月20日前後から下がり始めています(ということは1月6日前後にすでにピークアウトしていた)
現在の沖縄県の実行再生産数は
0.76
と徐々にではありますが低下し続けております。
この沖縄県のデータから考えると、全国でも2週間遅れの報告日ベースの陽性者数も
2月18〜20日頃から低下してくるのではないか
と推察されますが、どうでしょうかね。
感染対策には十分力を入れつつ、報道される陽性者数が減っていってくれるのを待ちたいと思います。
今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。