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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年07月17日
こんにちは、平島です。
暑い日が続いていて、日中は外出することもままならないですね。
イタリアでは日中の気温が
48℃
になった都市もあるとのことで、体温を完全に超えていますね。
診察中に
「健診で悪玉コレステロールで異常値が出てひっかかった」
という話をよく聞きます。
が
異常値ではなく
あくまで
基準値を超えた
という話だけなのです。
基準値は
正常値ではないので
越えたからと言って異常ではありません
ので安心してください。
特に
悪玉コレステロールは身体にとってとても大切なもの
ですので、
基準値を少々超えても問題ないですし、
ある程度高い方が身体には良いと考えています。
悪玉コレステロールは
○細胞の膜である細胞膜の材料になる
○元気ホルモンなどの様々なホルモンの材料になる
○ビタミンDを合成する材料になる
などなど
身体にとってはとても大切な成分となっていますので、
決して悪玉ではない
のですね。
LDL(悪玉)はコレステロールを送り出す
HDL(善玉)はコレステロールを回収する
という働きがあるため、
血液中に送り出すから「悪玉」
血液中から回収するから「善玉」
というイメージから名付けられたのだと思います。
数値も
LDLコレステロールは
180〜200以下
であれば
動脈硬化を引き起こすことは少ない
ので、
これ以上の値が持続しなければ問題ないと考えています。
悪玉コレステロールが高いと食事を気をつけないといけないと考える人がほとんどですが、
食事から吸収される悪玉コレステロールは
20〜30%
程度であり、
体内で作られている悪玉コレステロールの方が断然に多い
のはあまり知られていない事実です。
体内で作られている悪玉コレステロールは
70〜80%
であり、こちらが大部分を占めています。
悪玉コレステロールは
肝臓で合成
されます。
ですから、
食事を気をつけてもあまり悪玉コレステロールの数値にはあまり影響しない
ので、
無駄な努力になってしまう可能性が高くなります。
悪玉コレステロールのお薬で有名な
スタチン
は
悪玉コレステロールを劇的に下げてくれますが、
薬の切れ味が鋭すぎるので
下がりすぎてしまう
ことが多いです。
下がりすぎはよくないので、
高めの方は適度に下げる必要があります。
この
「適度に」下げてくれるのが
乳酸菌
なのです。
乳酸菌が悪玉コレステロールを下げる経路は
主に3つあります。
1,
肝臓で作られ、脂肪を分解する酵素である胆汁酸の材料が
悪玉コレステロールになります。
乳酸菌はこの胆汁酸に吸着して排出しようとする
ため、
胆汁酸をまた作るために
悪玉コレステロールがドンドン消費されて少なくなります。
この過程で悪玉コレステロールが使われて
悪玉コレステロールの生産量が減ります。
2,
乳酸菌などの善玉菌が作る
短鎖脂肪酸
が肝臓で悪玉コレステロールを合成する酵素の働きをブロックしてくれる
ので、
乳酸菌を多く摂取すればするほど、
短鎖脂肪酸多く作られ、
悪玉コレステロールの数値を下げてくれます
3、
乳酸菌自体
が
食べ物から摂取した悪玉コレステロールに吸着して排出してくれる
この3つの経路から悪玉コレステロールを
緩やかに下げてくれます
ので、
スタチンなどの薬で下げすぎないようにほどよく下げてくれます。
是非、
乳酸菌の利点を利用して
悪玉コレステロールをほどよく下げましょう!
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。