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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年08月28日
こんにちは、平島です。
暑い日が続いていますが、なかなか暑いと運動がはかどらず、早く涼しくなって欲しいものです。
最近診察室で、血圧のことを聞かれることが時々ありますので、
腸内細菌と高血圧の関係
について書いていきたいと思います。
高血圧と腸内環境が関係あるの?
と思われる方も多いと思いますが、結構関係が強いんです。
塩分を摂りすぎる
→腸内環境が悪くなり、乳酸菌が減る
→炎症誘発型Th17細胞が過剰に働き、動脈硬化が進行する
→高血圧になる
というメカニズムです。
逆に、腸内環境を良くすることで高血圧を防ぐにはどうすれば良いかというと
乳酸菌の
エンテロコッカス・フェカリス菌
は、
血圧を低下させるメカニズムが備わっています。
乳酸菌や乳酸菌の産生物質
が
直接血管壁に作用し、
血管を拡張させ、血圧を下げる作用がある
と言われています。
もう一つの血圧を下げるメカニズムとしては、
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が産生する短鎖脂肪酸がありますが、
この短鎖脂肪酸は
腸から吸収されて
血中の短鎖脂肪酸濃度が上昇します。
そして血中の短鎖脂肪酸の濃度がある一定の濃度以上になると、
様々な臓器の細胞の表面に存在する
「短鎖脂肪酸受容体」
に働きかけるようになります。
血中の短鎖脂肪酸が、
血管の細胞の表面にある「短鎖脂肪酸受容体」と結合し、
レニン-アンギオテンシン系
という血圧の上昇に関係している部位に作用して、
血圧を下げてくれることが期待されます。
このように腸内環境と高血圧は関係性がありますので、
やはり
乳酸菌を数多く摂取して腸内環境を整える事
が非常に重要になってきます。
1日1兆個の乳酸菌
がキーワードになってきますので、
なるべく数多くの乳酸菌を摂取して
小腸の免疫活性化スイッチ
を数多くの乳酸菌で押して、
免疫を上げて、腸内環境を良くして、
血圧も下げていく
ことが大切になってきます。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。