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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年09月16日
こんにちは、平島です。
まだまだ残暑が続いていますが、昼間に33℃を越えると灼熱地獄になりますね。
朝晩はようやく少しは涼しくなってきたので、
朝ランはなんとか最後まで走りきることができるようになってきました。
7,8月は5キロのランを走りきることができずに、
途中で歩いてしまうぐらい暑さで消耗してしまっていました。
夏も試合があるJリーグなどのサッカー選手は
猛暑の中走りまくらないといけないのは心身共に大変ですね。
日々、内視鏡検査をしていると
大腸ポリープや大腸がんが増えていることを実感します。
近年、日本における大腸がんの発症率が増加しています。
食生活の欧米化や生活習慣の変化がその一因
とされていますが、背景にはさまざまな要因が絡み合っています。
日本人に大腸がんが増加している理由や、その予防法について書いてみたいと思います。
日本における大腸がんの増加には、いくつかの要因が考えられます。
まず第一に、食生活の欧米化です。
伝統的な日本食は、
野菜や魚、発酵食品を中心とした低脂肪・高食物繊維の食事
でした。
しかし、現代の日本では、
肉類や乳製品、加工食品の摂取量が増え、高脂肪・低食物繊維の食事が一般的
になっています。
高脂肪の食事は腸内の胆汁酸の分泌を増やし、
大腸内での発がん性物質の生成を促進する可能性があると考えられています。
また、
運動不足や肥満もリスク要因
として挙げられます。
現代社会ではデスクワークが増え、身体活動量が減少しています。
肥満そのものががんのリスクを高めるだけでなく
運動不足により腸の動きが低下し、便秘がちになることで、発がん性物質が大腸に長く留まること
も問題です。
さらに、
加齢による影響も無視できません。
日本は超高齢社会を迎えており、
がんの発症リスクは年齢とともに増加
します。
大腸がんは特に
50歳以上で発症率が上がる
ため、高齢者人口の増加も大腸がんの増加に寄与していると考えられます。
大腸がんは、早期発見・早期治療が非常に重要ながんの一つです。
早期の大腸がんであれば、内視鏡を使った早期大腸がん切除などの治療で完治する可能性が高く、
患者さんのQOL(生活の質)も維持しやすいです。
しかし、
症状が進行するまで自覚症状がほとんどない
ため、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
そのため、
定期的な検診が非常に重要です。
特に
40歳を過ぎたら、数年に1回は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
大腸がんの予防には、食生活や生活習慣の見直しが不可欠です。
以下に、予防に効果的な生活習慣をいくつか挙げます。
○食物繊維を多く摂る
食物繊維は腸の動きを活発にし、便通を改善する効果があります。
特に、野菜、果物、豆類、全粒穀物などを積極的に摂取することが大切です。
また、
食物繊維は腸内環境を整え、善玉菌の増殖を促すため、腸内での発がん性物質の生成を抑制する効果も期待されます。
○脂肪の摂取を控える
特に、
動物性脂肪の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高めるとされています。
赤身肉や加工肉の摂取を控え、魚や大豆製品などをタンパク源とする食生活を心がけましょう。
○適度な運動を取り入れる
運動は、腸の動きを促進し、便秘の予防に役立ちます。
また、
肥満の予防にもつながり、総合的に大腸がんのリスクを下げる効果があります。
ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、自分に合った運動を継続することが重要です。
○アルコールやタバコを控える
過度なアルコール摂取や喫煙は、大腸がんのリスクを高める要因
とされています。
特に、飲酒は腸内での発がん性物質の生成を促進するため、適量を心がけましょう。
大腸がんには遺伝的な要因もあります。
親や兄弟姉妹に大腸がんの既往がある場合、自身のリスクも高まる可能性があります。
このような家族歴がある方は、通常よりも早めの大腸内視鏡検査を検討し、
医師と相談しながら適切な予防策を取ることが重要です。
日本で大腸がんが増えている背景には、
食生活の欧米化、運動不足、加齢などの要因が複雑に絡み合っています。
しかし、
定期的な大腸内視鏡検査の受診や生活習慣の改善により、予防や早期発見が可能ながんでもあります。
私たち医療従事者としては、皆さんに
まずは大腸内視鏡検査を受けること
を強くお勧めします。
そして、
日々の食生活や運動習慣の見直しを行い、健康的な生活を維持することが、大腸がん予防の第一歩となります。
ぜひ、今日からできることを少しずつ始めてみてください。
健康は一日にして成らず。皆さんの毎日の小さな選択が、将来の大きな健康につながります。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。