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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年10月07日
こんにちは、平島です。
だいぶ涼しくなってきましたので、運動には最適な季節になってきましたね。
患者さんもよく診察室で
「暑すぎるから、運動はやれていない」
と話されている方が多かったですが、今から良い季節なので、是非運動して、
体重を落として行きましょう!
診察室でお話していると、
「胸焼けやゲップが出ることが多い」
「夜寝ていると、胃酸が上がってくる感じがする」
という訴えの方も多くなってきています。
これらの症状は
逆流性食道炎
の可能性がありますし、食道と胃の境目の筋肉が緩む
食道裂孔ヘルニア
の可能性もあります。
逆流性食道炎を引き起こさないような予防策を考えていきましょう!
逆流性食道炎の予防策:生活習慣の見直しで健康を守る
逆流性食道炎は、
胃酸が食道に逆流することによって生じる病気で、多くの人々に不快感をもたらします。
この症状は
胸やけや喉の痛み、慢性的な咳などを引き起こし、
日常生活の質を著しく低下させます。
しかし、
逆流性食道炎は生活習慣の見直しや予防策を講じることで、
その発症や悪化を防ぐことが可能です。
逆流性食道炎の発症には、食生活が大きく関与しています。
食べ物や食べ方を見直すことで、胃酸の逆流を防ぐことができます。
胃に過度な負担をかけないために、
一度に大量に食べないことが重要
です。
食べ過ぎると、胃の中の圧力が上がり、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。
1日の食事を少量の頻回食にすることで、胃の負担を軽減できます。
脂肪分の多い食品は、胃の消化を遅らせ、逆流のリスクを高めることがあります。
揚げ物や高脂肪の肉、チーズなどの乳製品は控えめにし、脂肪の少ない食材を選ぶようにしましょう。
アルコール、カフェイン、チョコレート、トマト、柑橘類、辛いものは、胃酸の分泌を促し、
食道下部の括約筋(LES)を緩めてしまうことがあります。
これらの食品を摂取すると、逆流が起こりやすくなるため、適度に制限することが推奨されます。
寝る直前に食事を摂ると、胃酸が逆流しやすくなります。
理想的には、
就寝の3時間前までに食事を終える
ことです。
夜遅くに重い食事を摂るのは避け、軽めの食事にすることが逆流の予防に効果的です。
逆流性食道炎の予防には、食生活だけでなく、日々の生活習慣の見直しも非常に重要です。
肥満は逆流性食道炎のリスクを高める大きな要因です。
肥満の人では腹部の圧力が高まり、それが胃酸の逆流を引き起こしやすくなります。
適正体重を維持することは、逆流性食道炎の予防に大きく寄与します。
減量に取り組む際は、バランスの取れた食生活と適度な運動が大切です。
腹部を圧迫するようなきつい服装やベルトは、胃の圧力を高め、胃酸逆流を促進する可能性があります。
特に食後は、緩めの服を着て腹部の圧迫を避けることが重要です。
食後にすぐ横になることは、胃酸が逆流しやすくなる原因となります。
食後は最低でも2~3時間は座ったり立ったりして過ごすようにしましょう。
また、
就寝時には頭を少し高くして寝ることが推奨されます。
これにより、重力の効果で胃酸の逆流を防ぐことができます。
枕を高くするか、ベッドの頭側を少し上げる方法が効果的です。
喫煙は食道下部の括約筋(LES)の機能を低下させ、胃酸の逆流を促進します。
そのため、
喫煙者の方は禁煙を心がけることが重要です。
禁煙は逆流性食道炎の予防だけでなく、全身の健康を守るためにも必要な行動です。
また、
アルコールも逆流を引き起こしやすい飲み物です。
特に
ビールやワインなどのアルコール飲料は、胃酸の分泌を増やし、逆流を促す可能性があります。
アルコールを摂取する場合は、適量を守り、節度ある飲酒を心がけるようにしましょう。
逆流性食道炎の症状はストレスによって悪化することがあります。
ストレスが胃酸の分泌を過剰にさせたり、消化管の動きを乱したりするためです。
適切なストレス管理は、逆流性食道炎の予防にとても重要です。
ヨガや深呼吸法、瞑想などのリラクゼーション法は、ストレスを軽減し、自律神経を整える効果があります。
日常生活の中で定期的にリラックスする時間を設けることで、心身の健康を守り、逆流の予防にも役立ちます。
睡眠不足や不規則な生活も、逆流性食道炎を悪化させる原因となります。
十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を送ることで、消化管の機能が正常に保たれ、胃酸の過剰な分泌が抑えられます。
一部の薬は逆流性食道炎のリスクを高めることがあります。
例えば、
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)や一部の降圧薬は、胃酸の逆流を引き起こしやすくします。
長期間これらの薬を使用している場合は、医師に相談して代替薬を検討することも考えられます。
逆流性食道炎は、生活習慣を見直すことで大きく予防できる病気です。
食事の内容や量、タイミングを改善し、アルコールや喫煙を控えること
が、
胃酸の逆流を抑えるための基本的な対策となります。
また、
適正体重の維持やリラックス方法を取り入れることも、逆流性食道炎の予防に有効です。
症状が慢性化すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、
食道の炎症が長期間続くことでバレット食道などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
そのため、
逆流性食道炎が疑われる場合は、早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。
生活習慣を少しずつ見直し、健康な体と快適な生活を維持していきましょう。
逆流性食道炎は予防可能な病気です。
自分の体に耳を傾け、少しでも異常を感じたら専門医に相談し、適切な対策を取るよう心がけましょう。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。