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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年11月25日
こんにちは、平島です。
「タンパク質と腸の新常識」の本の売れ行きが好調で、
12月初旬に3刷目の増刷
が決まりました!
本を読んで頂いた患者さんたちからも診察室で感想など聞けて、うれしく思います。
別の出版社さんからの依頼があり、次の書籍執筆に向けて動き出しております。
正式に決まりましたら、またお知らせさせて頂きます!
6ヶ月で体重3キロ減チャレンジ
も開始しておりますので、
2025年5月のホノルルトライアスロン
に向けて、
運動をしつつ、炭水化物やビールは控えて体脂肪を落として、筋肉を付けていこうと思います。
診察室で多くの相談をされるのが
便秘と下痢
です。
便秘や下痢は、多くの人が一度は経験する腸のトラブルです。
これらの症状は単なる消化の問題にとどまらず、
腸内環境の乱れが深く関与
している場合があります。
腸内環境を整えることは、これらの症状を改善し、全身の健康を向上させるために欠かせません。
便秘や下痢のメカニズムと腸内環境の関係、そして改善方法
について解説します。
腸内環境は、腸内に存在する
約1000種類、100兆個以上の腸内細菌のバランス
によって形成されています。
これらの腸内細菌は、
「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」
に分類され、それぞれが腸内で役割を果たしています。
○善玉菌:腸の運動を促進し、健康維持に寄与する(例:ビフィズス菌、乳酸菌)。
○悪玉菌:腸内で有害物質を生成し、腸内環境を悪化させる(例:ウェルシュ菌)。
○日和見菌:善玉菌・悪玉菌のどちらが優勢かで役割が変わる。
腸内環境が悪化すると、
便秘や下痢を引き起こしやすくなります。
便秘の原因の一つに、
腸内細菌のバランスが崩れ、腸の蠕動運動が低下すること
があります。
善玉菌が減少し、悪玉菌が増えると腸内環境が悪化し、便が硬くなり排便が困難になります。
食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える役割があります。これが不足すると善玉菌が減少し、便秘が悪化します。
ストレスは腸の働きをコントロールする自律神経を乱し、便秘を引き起こします。
また、
ストレスは腸内フローラの多様性を低下させる
ことも分かっています。
下痢の原因の一つは、
悪玉菌が増殖しすぎること
です。
悪玉菌が腸内で毒素を放出すると腸壁が刺激され、下痢を引き起こします。
特に、
感染性の下痢(例:食中毒)では腸内の悪玉菌が急激に増えることがあります。
腸内環境が悪化すると、腸壁のバリア機能が低下します。
この状態を
「リーキーガット(腸漏れ)」
と呼び、腸壁が刺激に敏感になり、下痢が生じやすくなります。
ストレスが腸内環境を悪化させることで、
過敏性腸症候群(IBS)
の一症状として下痢が頻繁に発生することがあります。
便秘や下痢を改善し、腸内環境を整えるためには、以下の対策が有効です。
○食物繊維を積極的に摂取:野菜、果物、全粒穀物を増やしましょう。
○発酵食品の摂取:ヨーグルト、味噌、納豆などを摂ると善玉菌が増えます。
○水分補給:便秘の予防には十分な水分摂取が不可欠です。
○プロバイオティクス:腸内に善玉菌を補給する(例:ビフィズス菌や乳酸菌)。
○プレバイオティクス:善玉菌を増やすエサとなる(例:オリゴ糖、食物繊維)。
○規則正しい生活:腸の動きを整えるために、一定の食事時間や睡眠時間を心がけましょう。
○適度な運動:ウォーキングやヨガは腸の蠕動運動を活性化させます。
○ストレス管理:ストレスは腸内環境の大敵です。リラックスする時間を作りましょう。
便秘や下痢が慢性化している場合は、腸内フローラの検査や治療が必要なことがあります。
医師に相談して適切な治療を受けましょう。
便秘や下痢は腸内環境の乱れが引き起こすことが多く、腸内フローラを整えることで改善できる場合が少なくありません。
食事や生活習慣を見直し、腸内環境を健康に保つことで、快適な日常生活を取り戻しましょう。
もし症状が続く場合は、専門医に相談することをおすすめします。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。