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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年12月02日
こんにちは、平島です。
9月に学研さんから書籍を出版し、書店で購入できないという声も頂き、大変有り難いことですが、
12月の第3版も決まり、なんとかお手元に届けることができると思います。
運動をすること、食事に気をつけること
これらは健康を維持する事に関してはとても重要です。
生活に気をつけながら、引き続き頑張っていきましょう!
診察室で話していると、仕事や用事の前に下痢になることが多いということをよく聞きます。
下記から下痢の様子を聞いていくようにしましょう。
下痢は日常的に誰もが経験する症状の一つですが、その背景には腸内環境の乱れが関与していることが少なくありません。一過性の下痢であれば大きな問題にならないことが多いですが、慢性的な下痢や繰り返す下痢は、腸内の健康状態を見直すサインかもしれません。1. 下痢が発生するメカニズム
下痢とは、大腸で水分が十分に吸収されないことで起こる水分量の多い便のことを指します。
原因はさまざまですが、大きく分けると以下のようなタイプがあります:
これらのメカニズムの背景にあるのが、腸内環境の乱れです。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在します。
このバランスが崩れると腸内フローラが乱れ、下痢が引き起こされることがあります。
○善玉菌の減少:腸内で有害物質を抑える働きが低下し、腸粘膜が炎症を起こしやすくなります。
○悪玉菌の増加:腸内で有害な毒素やガスが増加し、腸壁を刺激して下痢を誘発します。
腸内環境が整っていれば病原菌に対する防御力が高まりますが、腸内フローラが乱れると感染症にかかりやすくなります。
例えば、サルモネラ菌やノロウイルスなどの病原菌は腸粘膜を刺激し、急性下痢を引き起こします。
腸内環境が悪化すると、腸壁のバリア機能が低下する「リーキーガット(腸漏れ)」と呼ばれる状態になります。
この状態では、腸粘膜が刺激に敏感になり、下痢を起こしやすくなります。
腸内細菌は食事内容に大きく影響されます。
脂肪や精製糖が多い食事は悪玉菌を増やし、腸内環境を乱すことで下痢を誘発します。
また、
食物繊維が不足すると腸内フローラが悪化しやすくなります。
○発酵食品を摂取:ヨーグルト、納豆、味噌などは善玉菌を増やします。
○食物繊維を補う:水溶性食物繊維(例:オートミール)は便を固める効果があります。
○低FODMAP食の導入:ガスや下痢を引き起こしやすい食品を控える(例:小麦、乳製品)。
○プロバイオティクス:腸内環境を直接改善する乳酸菌やビフィズス菌を含む食品やサプリメント。
○プレバイオティクス:善玉菌のエサとなるオリゴ糖やイヌリンを摂取。
下痢で失われた水分を補給することが重要です。経口補水液やスポーツドリンクで、塩分や電解質も補いましょう。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほどストレスに影響を受けやすい器官です。瞑想や軽い運動などでストレスを軽減することも腸内環境の改善につながります。
慢性的な下痢や激しい腹痛を伴う場合は、医療機関で腸内フローラの検査や治療を受けることが必要です。
下痢は、腸内環境の乱れを反映する重要なサインです。
善玉菌を増やし、腸内フローラを整えることで、下痢を予防・改善することが可能です。
まずは食生活や生活習慣を見直し、腸内環境を健康な状態に保つことが大切です。
もし症状が続く場合は、医師に相談し適切な治療を受けましょう。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。