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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年01月06日
こんにちは、平島です。
2025年になりまして、いつもと変わらず淡々と生活しています。
年が明けたからといって何か変わるわけでもないですが、通常運転で頑張っていきたいと思います。
今年は、5月18日日曜日のホノルルトライアスロンに向けて
体重を3キロ
を落としていきたいと思います。
筋肉は増やしつつ、脂肪だけで3キロ落とすのはなかなか難しいですが、挑戦してみようと思います。
お正月のだらけた生活で
内臓脂肪や脂肪肝、皮下脂肪が増えて困っている人が大部分
だと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
脂肪肝や内臓脂肪の改善にはさまざまなアプローチが存在しますが、その中で注目を集めているのが
乳酸菌の摂取
です。
乳酸菌が腸内環境に与える影響は広く知られていますが、
実は
脂肪肝や内臓脂肪に対しても有益な効果をもたらすこと
がわかってきました。
今回は、乳酸菌がどのような機序で脂肪肝や内臓脂肪に作用するのかを解説します。
腸内環境と脂肪代謝の間には密接な関係があります。
腸内細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスが崩れると、
腸内で炎症が起こりやすくなり、
それが全身の代謝異常に影響を与えます。
この炎症は
インスリン抵抗性の悪化や脂肪の蓄積を引き起こし、
脂肪肝や内臓脂肪の増加につながる
とされています。
乳酸菌は腸内細菌叢を整える働きがあり、
これによって
代謝改善
が期待できるのです。
○短鎖脂肪酸の産生促進
乳酸菌は腸内で
短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)
を産生する腸内細菌の活動を助けます。
これらの短鎖脂肪酸は
エネルギー代謝を調節し、脂肪酸の合成を抑制する働き
があります。
また、
短鎖脂肪酸は
腸管バリアを強化し、炎症を抑えること
でインスリン抵抗性の改善にも寄与します。
○腸内炎症の抑制
腸内環境が乱れると、有害な腸内細菌が増え、
リポ多糖(LPS)
と呼ばれる炎症性物質が腸管を通じて血中に漏れ出すことがあります。
乳酸菌は腸内細菌のバランスを整え、LPSの発生を抑制することで、全身性の炎症反応を低下させます。
この結果、
脂肪組織の炎症が抑えられ、脂肪の蓄積が減少します。
○腸–脳–肝軸への影響
最近の研究では、
腸内環境が脳や肝臓を含む他の臓器に影響を与える
「腸–脳–肝軸」
という概念が注目されています。
乳酸菌は腸内環境を改善することで、この軸を介して肝臓の脂肪蓄積を減少させる可能性
があります。
例えば、
乳酸菌は腸内のセロトニン分泌を増加させ、
これが
エネルギー消費の向上や食欲の抑制に寄与すること
が示唆されています。
乳酸菌が脂肪肝や内臓脂肪に効果を持つことを示す研究は数多く存在します。
一例を挙げると、
ある臨床試験では、
乳酸菌を含むプロバイオティクスを摂取した被験者において、内臓脂肪面積や肝脂肪量が有意に減少した
という結果が報告されています。
また、
動物実験では、
乳酸菌が肝臓の脂肪酸分解を促進し、脂肪肝を改善すること
が確認されています。
乳酸菌の効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取が重要です。
乳酸菌を含む食品としては、ヨーグルト、発酵乳飲料、漬物などが挙げられます。
また、
乳酸菌の種類によって効果が異なるため、自分の体質や目的に合った乳酸菌を選ぶことが大切です。
さらに、
食物繊維を一緒に摂取することで、乳酸菌の活性が高まり、腸内環境改善効果が向上
します。
乳酸菌は脂肪肝や内臓脂肪の改善に対して多角的に作用することが分かっています。
腸内環境を整えるだけでなく、炎症の抑制やエネルギー代謝の調節を通じて、全身の健康に寄与します。
乳酸菌を日常的に取り入れることで、健康的な体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。