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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年01月13日
こんにちは、平島です。
5月18日のホノルルトライアスロンまで、
あと残り4ヶ月
となってきました。
本格的にランとスイムを練習するようにしています。
スイムは小学生時代にかなり泳ぎ込んできましたので、得意ですが、
ランは少し休むと途端に走れなくなってきますので、気が抜けないですね。
診療中に、
「野菜ジュースや乳酸菌飲料を毎日きちんと摂るようにしています。」
と話される患者さんがいますが、果たして身体にとって良いのでしょうか?
脂肪肝や内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病のリスクを高める深刻な健康問題です。
こうした脂肪蓄積の改善や予防には、バランスの取れた食事や運動が重要ですが、
多くの方が手軽な健康食品として
「野菜ジュース」や「乳酸菌飲料」
を選ぶ傾向があります。
しかし、
これらの飲料が脂肪肝や内臓脂肪に対して効果的どころか、
場合によっては悪影響を及ぼす可能性がある
ことはあまり知られていません。
★野菜ジュースの落とし穴
野菜ジュースは、特に野菜不足が気になる方に人気の飲料です。
しかし、
脂肪肝や内臓脂肪の蓄積に対しては注意が必要
です。
1.高糖質な製品が多い
市販の野菜ジュースには、多くの場合、
甘みを出すための果汁や糖分が添加
されています。
これにより、
野菜ジュースを摂取することで血糖値が急上昇しやすくなり、インスリンの過剰分泌を促します。
このインスリンが脂肪の合成を促進し、内臓脂肪や肝臓の脂肪蓄積を悪化させる原因
になります。
2. 食物繊維の不足
野菜ジュースの製造過程で、野菜に含まれる食物繊維が除去される
ことが多いです。
食物繊維は、腸内環境を整え、血糖値の上昇を緩やかにする重要な成分
です。
食物繊維を失った野菜ジュースは、野菜本来の健康効果を十分に発揮できません。
3. カロリー摂取の盲点
液体である野菜ジュースは、短時間で大量に摂取できるため、
結果的にカロリーオーバーを引き起こす可能性があります。
カロリーの摂りすぎは内臓脂肪の増加を招く要因
となります。
★乳酸菌飲料のリスク
乳酸菌飲料は腸内環境を整える効果が期待され、健康志向の人々に人気があります。
しかし、
脂肪肝や内臓脂肪の観点からは以下の点に注意が必要です。
1. 高い糖分含有量
市販の乳酸菌飲料の多くは甘味料として
砂糖やブドウ糖
が添加されています。
これにより、
飲料を摂取するたびに血糖値が上昇し、エネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
特に甘味が強い製品は、内臓脂肪や脂肪肝の進行を助長するリスク
があります。
2. カロリー密度の高さ
乳酸菌飲料は小さなボトルであっても意外と高カロリーであることが多く、
日常的に摂取することで余剰カロリーが蓄積しやすくなります。
3. 特定の乳酸菌の効果不足
乳酸菌の中には腸内環境改善に寄与するものもありますが、脂肪代謝に直接関与しない菌種も存在します。
市販されている乳酸菌飲料の多くは、
脂肪肝や内臓脂肪に特化した効果が実証されているわけではない点にも注意が必要です。
★野菜ジュースや乳酸菌飲料の適切な使い方
これらの飲料がすべて悪いというわけではありません。重要なのは、適切に選び、摂取量を管理することです。
1. 成分表示を確認
購入前に必ず成分表示を確認し、糖質が過剰に含まれていない製品を選びましょう。
2. 無糖タイプを選ぶ
無糖または低糖タイプの製品を選ぶことで、余分な糖分の摂取を抑えられます。
3. 補助的に活用する
野菜ジュースや乳酸菌飲料を「健康食品」として過信せず、
あくまで食事の補助的な役割として取り入れることが大切です。
★健康的な代替案
脂肪肝や内臓脂肪を減らすには、これらの飲料に頼りすぎるのではなく、
全体的な食事改善と運動を取り入れることが効果的です。
1.食物繊維の摂取を増やす
生野菜や全粒穀物、豆類など
を積極的に摂りましょう。
2.水やお茶を中心とした水分補給
カロリーゼロの飲料を基本とすることで、カロリー摂取をコントロールできます。
3.適度な運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼を促進し、脂肪肝の改善に効果的です。
★まとめ
野菜ジュースや乳酸菌飲料は一見健康的に見えますが、脂肪肝や内臓脂肪の蓄積に関してはリスクを伴う
ことがあります。
これらの飲料に頼るのではなく、バランスの取れた食事と健康的な生活習慣を心がけることが最善の方法です
。成分をよく確認し、適切に摂取することで、健康的な体を維持しましょう。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。