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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年04月14日
こんにちは、平島です。
5月18日のホノルルトライアスロンの日程が1ヶ月ちょっととなってきました。
仕事が忙しすぎて、自分の時間が全くないですが、
少しの隙間時間
を見つけて、自分の限界を超えて追い込んで練習しています!
仕事を始めてから30年近くになりますが、
ゆっくり自分の時間を満喫したことないですね。
患者さんのため、自分のために常にアップデートするために自己研鑽と仕事に努めていますが、
息をするのと同じ
ように診療や仕事をしているような感覚ですね。
診療をしていると、患者さんの
「腸活」
に対する興味や、知りたい欲を感じます。
近年、
腸内環境の重要性が広く知られるようになり、「腸活」という言葉が定着しました。
一方で、
健康志向やボディメイクの影響で、タンパク質の摂取量も増える傾向にあります。
ところが、
「タンパク質=健康によい」
と思い込んで、摂りすぎたり偏った摂取をすると、
かえって腸内環境を悪化させる可能性があります。
今回は、腸内細菌とタンパク質の関係について図表や食事例を交えて解説します。
通常、食事で摂取されたタンパク質は小腸でアミノ酸まで分解・吸収されます。
ただし、
過剰に摂取したタンパク質や、消化吸収が不十分なタンパク質は大腸に届き、腸内細菌によって分解・発酵されます。
タンパク質の代謝 |
腸内細菌の作用 |
産生される物質 |
腸への影響 |
---|---|---|---|
適量+善玉菌優位 |
発酵 |
酢酸、酪酸、プロピオン酸(短鎖脂肪酸) |
腸粘膜保護、抗炎症、免疫調整 |
過剰摂取+悪玉菌優位 |
腐敗 |
インドール、アンモニア、硫化水素 |
粘膜障害、炎症、発がんリスク |
健康な成人:体重1kgあたり1.0〜1.2g/日
アスリート・筋トレ中の方:1.5〜2.0g/kgまで
※これを超えると腸内腐敗が起きやすくなります。
タンパク源 |
特徴 |
腸への影響 |
---|---|---|
赤身肉・加工肉 |
吸収率高いが、硫黄含有アミノ酸が多く腐敗しやすい |
悪玉菌増加、発がん物質産生のリスク |
大豆・豆製品 |
食物繊維も豊富でプレバイオティクス作用 |
善玉菌のエサになりやすい |
魚・鶏むね肉 |
良質な動物性タンパク |
腐敗リスク低めでバランスが良い |
青汁+豆乳、イージーファイバー、イヌリン
ゆで卵1個
納豆、牛肉100グラム、焼きサバ1切れ
✅ 植物性・動物性タンパク質のバランス良好
✅ 食物繊維と発酵食品も含まれる
玄米ご飯
焼き鮭
納豆
ほうれん草とごまの和え物
✅ 発酵食品(納豆)と魚タンパクがメイン
✅ ビタミン・ミネラルも豊富
鶏むね肉の蒸し料理(梅肉ソースなどで塩分控えめ)
豆腐とわかめの味噌汁
ブロッコリーとにんじんの温野菜
もち麦入りご飯
✅ 動物性タンパクは脂肪少なめの鶏肉で
✅ 大豆、海藻、野菜も摂取できる理想的な組み合わせ
プロテインパウダー(ホエイ・ソイなど)は便利な栄養源ですが、
過剰摂取や加工食品に偏った食生活が続くと腸内環境が悪化する可能性があります。
摂る際は1回20g前後を目安に、食物繊維や発酵食品とセットで摂取することが推奨されます。
タンパク質は健康に欠かせない栄養素ですが、
「摂れば摂るほどよい」
わけではありません。腸内細菌は、私たちが何を食べたかに敏感に反応します。
摂取量を守る
植物性タンパクも積極的に
食物繊維・発酵食品とセットで
これらを意識するだけで、腸内フローラのバランスは大きく改善します。
腸に優しいタンパク質の摂り方を日々の生活に取り入れて、体の中から健康を育てていきましょう。
では、今週も頑張っていきましょう。
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。