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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2011年12月09日
こんにちわ、医師の平島です。
先日、新横浜で開催された「消化器疾患治療戦略セミナー」という勉強会に参加してきました。「ヘリコバクター・ピロリ感染症の新たなる展開」という演題であり、講師はヘリコバクター・ピロリ菌では日本で有名な先生であり、私の上司でもある村上和成先生でした。
ピロリ菌は1983年 にオーストラリアのロビン・ウォレンとバリー・マーシャルにより発見されました。
約3×0.5μmの大きさのらせん状をした細菌で、図のように4~8本のしっぽがあります。このしっぽをヘリコプターのように回転させて移動することから、ヘリコバクター・ピロリと名付けられました。
日本では年齢とともにピロリ菌を持っている人が増えていき、40歳以上では約70%の感染率で、全国民の約半数が感染しているとされていますが、近年は感染率が低下してきており、現在の日本での感染率は約40%です。南アフリカでは87%、オーストラリアでは82%、ヨーロッパでは20〜30%と地域によって感染率が様々です。
ピロリ菌は5歳までの幼少期に感染することがほとんどであると言われており、それ以降はピロリ菌に接触したとしても慢性感染になることはほとんどないと言われています。
ピロリ菌は”胃がん”や胃がんのもとである”萎縮性胃炎”の原因と言われていますが、胃の病気以外にも様々な病気の原因として注目されており、研究がなされています。
ヨーロッパの研究では”慢性じんま疹”の約半数がピロリ菌が原因ではないかという研究も発表されています。その他にも”鉄欠乏性貧血”や”糖尿病”、”動脈硬化”とも関係があるという研究論文もあり、ピロリ菌の除菌によって様々なメリットがあるということです。
ピロリ菌除菌治療のちょっとしたコツなども勉強できて有意義な時間でした。
勉強会の後は久しぶりに村上先生とお酒を飲みに行き、楽しく過ごさせて頂きました。