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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年06月04日
こんにちは。医師の東です。
緊急事態宣言が解除されて、街に人が戻ってきているなと感じます。
コロナ禍で胃腸のストレスを抱えていた患者さんが、受診されるケースが増えてきています。
短期間とはいえない1か月でしたが、予想以上に身体はストレスを感じていたのだろうと実感しました。
今回は「吐血」について説明します。
ひとことで吐血と言っても、なかなかピンときませんよね。
言い換えれば、「血を吐いた!」になるのですが、ひとによってそのとらえ方が違います。
診察前の問診票で「血を吐いた」と書かれていても、実際に診察し問診してみると、その血の量はかなり差があります。
「つばを吐いたら少し血が混じっていた」→(微量)
口腔内粘膜、咽頭粘膜の傷害、炎症
「食べたものを吐いた後に、血の塊があった」→(少量)
口腔内粘膜、咽頭粘膜、食道粘膜、胃粘膜の傷害、炎症、逆流性食道炎など
「いつもよりも多くお酒を飲んだ後に、何度も吐いたら真っ赤な血がドバっと出た」→(中等量)
食道胃接合部の裂傷(マロリーワイス症候群)
「お腹が張る感じがずっとあって、黒色物が大量に洗面器一杯に出た」→(大量)
食道・胃静脈瘤、胃・十二指腸潰瘍、食道・胃がんなど
どれも出血を示唆しますが、いずれもどこから出血をしたのかが問診からでは確定できません。
ただし、咳をした時にでた場合は、喀血(かっけつ)といって、気管支、肺からの出血ですので、ご注意ください。
赤い血(鮮血)、黒い血(時間がたった血)を吐いたとき、ともに早急な精査が必要ですので、受診をお勧めいたします。