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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年07月19日
こんにちは、医師の東です。
今年は、コロナウイルスの影響による自粛期間があったため、学校の夏休みが短縮される予定です。
子供達の夏休みもいつもとは違った形になりますよね。
短くて忙しい中で充実した夏を過ごせるよう、準備してきたいです。
さて、今日は「消化器と漢方薬」について書きたいと思います。
日常診療をしている中で、胃腸の症状は多岐にわたります。
症状、診察、検査結果からその原因、疾患、対処方法を考えていくのですが、
生活習慣の改善だけでは治らない場合、薬物療法を行います。
通常の薬は西洋薬と言われる化学的に合成されている化学化合物であり、その作用の中で体に有用な効果を期待します。
一方で漢方薬は、自然界にある主に植物、鉱物などの生薬を組み合わせて作られた薬になります。
日本の医学教育では、薬は西洋医学の考えから学ぶので、漢方専門医でない限りいきなり漢方薬を処方することは少ないと思います。
西洋薬で効かなかった場合に、漢方薬で効果があったこと経験しているので、
一つの治療の手段として考えています。
僕が良く処方する漢方薬に「六君子湯」があります。
主に、胃腸の働きが弱くなっている、食欲がない、胃もたれ、みぞおちがつかえる感じがするといった症状に効きます。
これから夏の暑い季節にみられる「夏バテ」にも効くと思います。
配合されている生薬は、
人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)
滋養強壮で有名な高麗人参からの人参、体が温まりそうな生姜など、生活の中に意外と関わっています。
生薬がどのように体の中で作用しているのか、良くわかっていませんでした。
最近の研究で「グレリン」というホルモン物質が胃から分泌され、食欲を増進させることがわかり、
六君子湯はこの「グレリン」の活性を亢進させることが証明されました。
漢方薬は副作用がないと思われていましたが、配合成分の甘草に含まれている成分で期待しない効果が出る可能性がありやはり注意が必要です。
ご紹介の六君子湯の他にも消化器症状に効果がある漢方薬も幾つかあります。
症状の相談が必要ですので、ぜひ受診して頂ければと思います。