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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年08月12日
おはようございます。
医師の久津川です。
今日は大腸がんの遺伝の話です。
★血縁関係のある親族に大腸がんの方がいる場合は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)をお勧めします★
大腸がんには、リンチ症候群、家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)という2つの遺伝性腫瘍があります。
遺伝性腫瘍では、重複がん(他臓器にもがんができる)ことがあるため、大腸がんの治療を受けながら、他臓器のがん検診も受けることをお勧めします。
①リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん;hereditary non-polyposis colorectal cancer、HNPCC)
診断基準;
・大腸がんまたはリンチ症候群関連がん(大腸がん、子宮体がん、小腸がん、尿管あるいは腎盂のがん)を有する近親者が3人以上
・少なくとも2世代にわたる大腸がん
・50歳未満で診断された大腸がん症例が1例以上
しかし、この「診断基準」を満たしていなければリンチ症候群ではないということではありません。
遺伝性腫瘍の専門外来では、リンチ症候群のスクリーニング検査として、マイクロサテライト不安定(MSI)検査が公的医療保険で行えます。(当院では行っていません)
②家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)
全大腸がんの1%以下であり、頻度はリンチ症候群と比べると高くはありません。
若年から大腸全域に100個以上のポリープ(腺腫)を認めた場合、家族性大腸ポリポーシスと診断されます。
家族性大腸ポリポーシスの場合、多発するポリープの一部ががん化すると考えられており、予防的に大腸全摘が行われることが多いです。
原因として、APC というがん抑制遺伝子に変異が見つかっています。
胃・十二指腸ポリープやがん, 甲状腺腫瘍, デスモイド腫瘍なども併発されやすいとされます。
当院では大腸内視鏡検査を行っております。
ぜひ一度ご相談ください。
2年前の北海道の「四季彩の丘」の写真です。
昨日、朝の情報番組「ZIP」で放送されていたため思い出しました。
気兼ねなく旅行できる日が待ち遠しいです。