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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年10月25日
こんにちは。医師の東です。
今年は、秋晴れの日が少ないと感じていますが、週末は良い天気でしたね。
暑くもなく寒くもなく、運動するには快適な秋です。
さて今日は少し専門的な話をします。
少し前に話題になった薬剤ですが、オプジーボは知っていますか??
免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる、がんに対する新しい治療法です。
京都大学の本庶佑先生が発見した抗PD-1抗体と呼ばれる治療法で、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
がんに対する治療と言えば、手術療法(内視鏡、外科)、放射線療法、がん化学療法(抗がん剤)があり、そこに新たに加わった治療法です。
免疫療法自体は以前から存在していましたが、どれも効果は疑問符が付くレベルでした。
ところがこの免疫チェックポイント阻害剤は、登場するや否やその効果に驚かされる事が出てきました。
オプジーボの「がん細胞」に対する詳しい作用機序の話は専門的すぎるので、今までの免疫療法となにが違ったのかだけを簡単に説明します。
ヒトの体には敵を排除するための機能があり、それが免疫です。
細菌やウイルスから身を守っているのも、この免疫のおかげなのです。
その種類は大きく分けると2種類になります。
直接敵を攻撃するキラーT細胞に代表される細胞性免疫と、抗体と言って敵の侵入を防ぐ防御機構の体液性免疫です。
実は「がん」においても、この免疫が関わっています。
がんは自分の細胞のプログラム(遺伝子)が壊れて、無秩序に増殖してしまう(腫瘍化)ことです。
つまり、正常な細胞ではないので免疫部隊が攻撃する対象になるわけです!!
今までのがん免疫療法は、いかに免疫細胞を増やすことに目を向けていました。
当然攻撃部隊が多い方が敵を打ち負かせると考えますよね。
ところが期待するような結果は出ませんでした。
それでは、オプジーボは何が違うかって??
車のアクセルとブレーキに例えるとわかりやすいです。
劇的な効果を表すこともあるのですが、その恩恵を享受できるのはごく一部になります。。。
いったん「がん」の増殖を抑える効果が見られた方は、その効果がしばらく続きます。
いわゆる抗がん剤とは、まったく違った効き方をするのです。
北里大学在職時にオプジーボの胃がんに対する治療開発に関わっていました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30566590/
「消化器がん」でお困りの方がいましたら、ぜひご相談ください。