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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年12月06日
こんにちは。医師の東です。
早朝の吐く息が白くなってきました。12月に入り寒さも厳しくなってきています。
感染対策しっかりしていきましょう!
胃がんABCリスク検診を知っていますか?
企業健診、人間ドックなどでは通常の必須項目ではなく、オプション項目になっています。
自治体や地域の医師会が比較的安い料金で実施しているところもあります。
もともとは、肝臓がんの領域から派生された考え方なのです。
肝臓がんの原因としてB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスが有名ですが、
ウイルス感染が元となり、そこから慢性炎症が起こり最終的に肝臓がんを発症することが分かりました。
つまりウイルス感染を減らす⇒がんの発症を抑制できる事に繋がります。
胃がんリスク検診では、ヘリコバクターピロリ菌の感染の有無と、
胃炎(萎縮性胃炎、いしゅくせいいえん)の程度の指標であるペプシノゲン法を組み合わせています。
簡単に検査できる血液検査を用いて、
血中ピロリ抗体⇒ピロリ菌がいた時にしか作られない抗体(中和する免疫タンパク)の有無
ペプシノゲン法⇒萎縮性胃炎が進むと陽性
となります。
A⇒B⇒C⇒D群と進行し、進行すればするほど胃がん発症のリスクは高いのです!!
早い時期にピロリ菌を除菌することでの胃がん発生抑制効果は高まります。
ここで注意して欲しいことがあります。
結果がA群だったからと言って決して安心しないでください。
あくまでピロリ菌感染に伴う胃がん発症のリスクを見ているだけです!
A群で陰性と判断されていて、
実は胃酸逆流に関連する欧米型の噴門部胃がん(胃の入り口、バレット食道腺がん)だった、若年男性の患者さんを診断した経験があります。
やはり胃カメラは定期的に受けることが大切なのです。