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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年12月20日
こんにちは。医師の東です。
すっかり冬の気候になってきました。もうすぐ年末、大掃除の時期がやってきます。
新たな気持ちで新年を迎えるために。
「がん」は早期発見が大切ですと、何度も訴えてきました。
早期発見することで、消化器のがんは内視鏡で治せる時代です。
そして「がん」は遺伝子のトラブルから生じる、増殖のエラーが原因なので、
加齢による遺伝子の劣化は立派な原因の一つです。
高齢社会の今、一種の加齢病と考えてください。
当然「がん」にかかった方が身内にいれば注意が必要ですが、
実はすべての方にリスクがあるのです!!
身近な疑問をひとつ。
「同時に2つのがんは出来るの?」
⇒答えはイエスです。
フィールド・キャンサライゼーション(field cancerization)という考えがあります。
1953年にSlaughterらが口腔がんの研究から提唱した概念で、
共通の癌誘発因子の長期的な暴露によって複数の領域にまたがって広く発がんする現象を言います。
別名で広域発がんとも言われています。
Nature Reviews Cancer volume 11, pages 9–22 (2011)
具体的には、黄色人種で発生する食道がん(扁平上皮がん)は
食道・頭頸部・胃に多発重複発がんすることが分かっています。
飲酒・喫煙・野菜果物不足に加え、アルコール関連発がんであるエタノールからの分解産物である
アセトアルデヒドでリスクが増加するのです。
覚えておいてください!!
さらに、大腸がんの発生にも、ポリープが関与していることはお伝えしてきました。
次回、大腸ポリープのフィールド・キャンサライゼーションについて説明します!!