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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2020年12月23日
医師の久津川です。
今日は「ピロリ菌除菌」の間違った対応について説明します。
ピロリ菌は、幼少期に感染する細菌で胃内に生存しています。
胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因です。
除菌することで上記のリスクを軽減することができます。
・ピロリ陽性の胃潰瘍(無症状)
・ピロリ陽性の進行胃がん(無症状)
2013年から幅広く除菌できるようになったため、最近は「ピロリ菌は除菌しました」という方が
多くなっています。
間違った行動をされる方がいるので注意が必要です。
その①除菌薬を内服して、尿素呼気試験などで「除菌成功」を確認しているのに採血でピロリ抗体を検査してしまう。
→除菌に成功すれば徐々に抗体価は低下します(個人差はありますが、数年以上経過すれば大部分が陰性化します)。
しかし一部には長期間陰性化しない人もいます。このような人が検診やドックのABC検診などで採血でピロリ抗体価を測定すると
「陽性」と判断されます。
患者さんにお伝えすることは、除菌薬を飲んだ後のピロリ菌検査は「尿素呼気試験」もしくは「便中抗原測定法」のみが有用です。
ということです。除菌後の人は、ほかの検査では間違った結果になることがあるため、検診やドックで安易にピロリ菌検査を受けるのはやめましょう。
その②除菌薬を飲みっぱなし
→正しく除菌薬を服用すれば1回目の除菌療法の成功率は以前は約75%前後といわれていましたが、最近では約90%以上とする報告もあります。
ただし、10人除菌薬を飲めば数人は失敗することがあるため、飲みっぱなしは禁物です。
除菌を失敗していれば、除菌薬を飲んだ意味は全くなく胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などのリスクは
残ったままです。
そのような方は、ぜひ当院でご相談ください。