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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年01月13日
おはようございます。
副院長の久津川です。
今回はピロリ菌の検査のひとつで、血液を用いて行う血清抗ヘリコバクター・ピロリ(Hp) 抗体検査のお話です。
健康診断では、検査が簡単なため血清抗 Hp 抗体検査を行っています。
「以前、血液検査でピロリ菌はいないと判定されました。」とおっしゃる患者さんに胃カメラをしてみると、明らかにヘリコバクターピロリ胃炎(ピロリ菌がいそうな胃炎)がある方が多くはありませんがいらっしゃします。
なぜそのようなことが起きるのでしょうか?
ここ数年で、陰性(=感染なし)とされていた中に、陽性(=感染あり)と判断される人がいることがわかってきました。
過去の検査を受けたことがある人は検査結果を見て、確認しましょう。
① Hp抗体価が 3 未満の場合
ピロリ菌に感染している可能性はほぼありません。
② Hp抗体価が 3 以上 10 未満の場合(陰性高値)
以前は、陰性(感染なし)と判断されピロリ菌感染していないため胃がんのリスクが大変低いと判断されていました。新しい基準においては陽性(感染ありもしくは感染疑い)と判定されます。
抗体価が 「陰性高値」の例では、10-20%弱の感染者が存在すると考えられています。
ますは消化器内科を受診して、胃カメラを受けましょう。
そしてその結果を見て、追加で他の方法でピロリ菌検査を行うのが良いと思われます。
またABC検診「胃がんリスク層別化検査」を行ったことがある方も注意が必要です。
この検査では、上記の血清Hp抗体検査を用いているからです。
A 群(ピロリ菌感染なし、萎縮性胃炎なし)と判定された方の中に、過去にピロリ菌感染のあった方(既感染)や、現在ピロリ菌感染のある方(現感染)が含まれていることがわかってきました。
これらの方は、ピロリ菌に感染したことのない方とは違い、胃がんリスクは低くなく B・C・D 群と同様に胃がんになる方もいるということを知っておきましょう。
以前、ピロリ菌がいないといわれたのに胃カメラしてみると
ヘリコバクターピロリ胃炎に加え、胃がんが発見されました。