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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年07月14日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
前回に引き続き今回もピロリ菌関連のお話です。
保健適応が拡大されたため、最近ではピロリ菌を除菌されている方が多くいます。
除菌後の方が健康診断でする「よくある勘違い」をご紹介します。
他院でも、当院でもしっかりと尿素呼気試験などで「除菌成功!」と判定されているのに健診や人間ドックでピロリ菌の血清抗体(血液検査)を測定していることがあります。
何が間違いなの?と思う方もいるかも知れません。
実は、血液検査で測定する血清抗体というのはそれ単独では今現在の「ピロリ菌感染状態」を判断するものではありません。
特に、
除菌成功後の抗体陰性化には年単位の時間を要することが多く(2年経過でも約半数)、除菌後長期経過しても血清抗体価が十分に(半分以下に)低下せず陽性域での持続例がある。とされています。
つまり、除菌されても数値だけで判断すると「ピロリ菌陽性」と判断されて、「要受診」となってしまいます。
除菌後に血液検査で血清抗体を測定することは意味がありません。健康診断でオプションでお金を払ったらむだになってしまいます。
注意しましょう!
*まだピロリ菌の検査をしたことがない方は、胃カメラと合わせて行うと有意義な検査となります。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。