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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年07月25日
こんにちは。副院長の東です。
ついに2020 TOKYOオリンピックが始まりました。
無観客試合となり、出場される選手たちには声援が届かない状況ですが、
生活時間帯でのテレビ中継で観戦できるのは地元開催ならではですね。
4番目のコロナ治療薬「ロナプリーブ」が7月19日に特例承認されました。
国内におけるCOVID-19治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブに続き4例目。
https://www.tamapla-ichounaika.com/blog/fukuinchou/post-29954/
今までと異なる点は、軽度~中等度の治療薬であることです。
ロナプリーブは、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)を組み合わせた注射製剤です。
海外で行われた大規模臨床試験(REGN-COV 2067)において、
入院または死亡のリスクを70%(1,200mg静脈内投与)、71%(2,400mg静脈内投与)と有意に低下させています。
また重症化の抑制と症状消失までの期間短縮を認めています。
日本での安全性、有効性を確かめた臨床試験の結果から、
中外製薬が6月29日に申請を発表しているので、異例の速さでの承認、すなわち特例承認となったようですね。
https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000807746.pdf
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210719220000_1129.html
米国では2020年11月から使用可能となっており、
○対象は成人および小児患者(12歳以上で体重が40㎏以上)
○軽度~中等度のCOVID-19外来患者への治療薬
がポイントです。
外来での治療が可能となると、重症化する前の薬剤として大きな意義を持ちます。
ただし、添付文書では新型コロナウイルス感染症で「重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者」、
中和活性が低いSARS-CoV-2変異株に対しては有効性が期待できない可能性が記載されています。
日本でロナプリーブが供給される医療機関は、原則患者の入院を受け入れている医療機関に限定しているため、
まだ誰にでも受けられる治療ではない様です。。。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。