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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年10月24日
こんにちは。副院長の東です。
雨が降ると肌寒く、晴れると気持ち良い、秋らしい天候が続いていますね。
今年は例年よりも台風が少なかった気がします。
ピロリ菌には親戚がいるらしい。。。
ピロリ菌の感染、ピロリ菌の胃に対する影響、胃がんの発生への関与は繰り返し説明しています。
それぐらい、ピロリ菌と胃がんの関係は深いのです。
ピロリ菌の正式名称は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、胃前庭部に生息するらせん状の桿菌です。
実は亜型といって、一種の親戚のピロリ菌がいるのを知っていますか?
その菌の名前は・・・。
ヘリコバクター・ハイルマニ(Helicobacter heilmannii )といいます。
胃の中にピロリ菌ではない「らせん菌」が0.25%の程度で存在するのです。
当然、ハイルマニ菌は病気に関連していることが分かってきていて、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫の患者さんの6割に感染が認められていることが分かりました。
ピロリ菌は霊長類のみの感染なのですが、
ハイルマニ菌はヒトはもちらん、犬や猫などにも感染します。
つまり、ペットからの感染の可能性が高いのです。
北里大学病院に勤務していた時に、ヘリコバクター・ハイルマニ感染の胃MALTリンパ腫の患者さんを経験しました。
残念なことにハイルマニ菌は簡単には診断できず、北里研究所に胃検体を送りPCR検査をしないと診断できませんでした。
ヘリコバクター・ピロリは陰性なのに、胃に何らかの所見や病気がある場合、
ひょっとしたら、それはヘリコバクター・ハイルマニ感染かも知れません。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。