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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年03月02日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。今回は「黒い便」のお話です。
時々、患者さんから「黒い便が出ます」と訴えがあります。
我々は黒い便と聞くと少し緊張します。それはなぜかというと「黒い便」というのは緊急性のある「上部消化管出血」のサインだからです。
上部消化管出血というのは、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂などで起こります。
血液が酸化することで赤から黒に変わります。
本当に大量に出る場合は、イカ墨のような黒くどろっとした排便があります。
出血性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂は緊急性があり命を落とすこともあります。
患者さんの状態によっては、緊急胃カメラや輸血などを行うこともあります。
もし、イカ墨のようなどろっとした排便が続く場合は消化器内科を受診してください。
*痛み止めを飲み過ぎで出血性胃潰瘍になり、緊急胃カメラで止血しました。
その後、大学病院で輸血や点滴治療を行い、無事に助かりました。
➀胃内の胃潰瘍
➁出血性胃潰瘍(黒い部分から出血あり)
③クリップで止血術後
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。