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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年05月08日
こんにちは。副院長の東です。
ゴールデンウィークが終わりました。後半は比較的天気が良くて暖かく気持ち良い日々でした。
朝昼晩の温度差が体調崩しますので気を付けましょう。
夜間胃酸逆流防止には睡眠時の姿勢が大事
逆流性食道炎に代表される、胃酸逆流による症状はつらいものです。
症状の感じ方は多岐に渡りますが、
✓ 寝ている間に逆流症状で起きてしまう
✓ 朝起きた時に胸やけ症状がある
こんな症状の方、多いと思います。
アメリカから、興味深い論文が発表されました。
それは「胃酸逆流症(GERD)の夜間逆流、ウェアラブルデバイスで抑制」という報告です。
夜間症状がある患者100例を対象に、新たな電子ウェアラブルデバイスを用いて、
睡眠時体位療法(Sleep positional therapy)の効果を実証したものです。
僕も理学療法として、寝ている間の胃酸逆流防止には左側を下にして寝る左側臥位(ひだりそくがい)をお勧めしています。
(YouTube動画参照https://www.youtube.com/watch?v=r2uVizP0jLY)
その研究では、全患者に左側臥位で睡眠するようにして、デバイス動作群では右側が下になるとデバイスが振動します。
つまり、寝ている間に出来るだけ左側臥位になるようにウェアラブルデバイスが反応する仕組みです。
結果は、症状改善度を表した夜間逆流評価尺度(N-GSSIQ)スコアが50%以上低下すれば「成功」とします。
治療成功率はデバイス動作群44%、非治療群24%と改善していました(95%CI 1.8%-38.2%、P=0.03)。
実際に、左側臥位での睡眠時間が増加(60.9% vs. 38.5%、P≦0.0001)し、
夜間逆流のない日数が多い(9日 vs. 6日、P=0.01)ことも明らかになっています。
逆流性食道炎の治療は、食事療法、理学療法そして薬物療法です。
朝起きた時に胸やけがある方は、左下にして寝ることを意識してみてください。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。