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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年07月31日
こんにちは。副院長の東です。
パソコンのWi-Fiが不調でネットに繋げなくなり、まさかのサブのパソコンもキーボード不良でパソコンが使えない環境でした。
スマホが使えるので連絡やメールのチェックが手軽に出来ますが、本格的な作業にはパソコンが不可欠なんだと再認識しました。
ピロリ菌の感染はどこで指摘されるの?
今までにピロリ菌の事はブログでも何度もお伝えしています。
ピロリ菌に関することで当院に受診するきっかけは様々です。
さて問題です。下記のうちでどれが一番多いでしょうか??
① 胃の症状(胃痛、胃もたれなど)があった
② 健診のバリウム検査で慢性胃炎(萎縮性胃炎)を指摘された
➂ 胃がんABCリスク検診でB群、C群(血中ピロリ抗体陽性)となった
④ 家族内にピロリ菌の感染者がいた
正解はというと、
➂です。血中ピロリ抗体の測定は、健診や人間ドックでのオプション検査で気軽に追加できるためです。
意図して調べる方もいますが、何となく追加しましたという方が意外と多いですね。
一般的な血中ピロリ抗体陽性の基準(従来からの栄研Eプレート、ELISA法)は抗体価10以上ですが、
ピロリ菌未感染(はじめから全くいない人)の場合は3未満となります。
陰性高値といわれる3~10未満の人は、現感染、既感染が混在しています。
血中ピロリ抗体陽性で受診される方にも2つの傾向があります。
ほぼ半数ぐらいで、
✓ 抗体価3をわずかに上回る値の20~30歳台
✓ 大幅に上回る(20~100)50歳台以降
となっています。
注意したいのは2017年4月以降ではラテックス凝集法、2021年4月以降ではラテックス凝集比濁法が
採用されている健診施設もあるので、どの検査方法で行ったのかも重要です。
この新しい検査方法では未感染者に偽陰性(本当は陰性なのに陽性となる)が多いとされています。
次に多いのは、②のバリウム検査で萎縮性胃炎が疑われることです。
ピロリ菌の炎症により胃が荒れることで胃粘膜が不整な凸凹となります。
バリウム検査でも萎縮性胃炎を疑うことが出来るのですが、
問題点は、「今まで毎年受けてきたのに要精査ではありませんでした。」に尽きます。
健診の画像判定する医師が、ピロリ菌感染を疑い、除菌の必要性を認識し、
現時点での早期胃がんの発見のための胃カメラ検査を勧められるかどうかが重要なのです。
萎縮性胃炎が疑われているのに、胃カメラを一度も受けていない方がいたら早めの検査を勧めます。
そして、①の症状があって当院で初めて、もしくは久しぶりに胃カメラをしたら、萎縮性胃炎があり、
各種検査でピロリ菌陽性となるパターンです。
この方々は、ピロリ菌除菌後に面白いように今までの胃の症状が無くなったと言われることが多いですね。
まだ少数ですが④の家族内にピロリ菌感染者がいたことで受診する方がいます。
初めて当院でピロリ菌感染と診断された50歳台以降の方に向けて、
井戸水から感染する機会が激減しているので、家庭内感染のリスクだけが怖いですよ。
もしお子様が成人しているのであれば、一度検査をした方が良いですと。
アドバイスさせていただいていますので、その効果が少しずつ表れていると実感しています。
ピロリ菌感染に関する健診、人間ドックの結果で分からない、不明点があればぜひ当院にご相談ください。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。