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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年09月14日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は大腸内視鏡検査は何歳まで受けるべきか?
というお話です。
大腸がんは、がんの中でかかる方が一番多い疾患です。
日本では増加傾向です。
大腸がん検診としての「便潜血検査」は40歳以上となっていますが、年齢制限は基本的にはありません。
(日本の厚労省の指針では、すべてのがん検診に年齢に上限を定めていません)
当院でも、30代の方から80代の方まで様々な年齢の方の大腸がんが発見されています。
2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。
超高齢化社会で、何歳まで大腸内視鏡検査を受ければ良いのでしょうか?
アメリカでは強く推奨するのはは75歳までとなっており、それ以上の方は推奨度が低くはなっております。
以前の論文で75歳以上の方は、大腸内視鏡検査を受けても利益がないとされていたためです。
しかし、最近の論文では75歳以上でも大腸内視鏡検査によって大腸がんの発症や死亡の期間が減るという報告もあります。
また、大腸カメラは基本的には安全な検査です。しかし、高齢になるにつれ、持病が多くなり、呼吸器や循環器系に負担がかかる可能性があります。
そして、苦痛を軽減するため鎮静剤や鎮痛剤を使用する場合もあり、多少リスクがあります。
下剤も比較的安全なのですが、リスクはあります。
そして、もし大腸がんが見つかった場合、手術を受けることができるか?手術を希望されるか?など人によって異なります。
「何歳まで受ければ良いですか?」という質問の答えは、「元気であって、検査のリスクをしっかり考えることができる場合には検査をしましょう。」です。
ご本人と相談して、その人の大腸内視鏡検査を受けたことがあるか?いつ受けたのか?その時の所見は?持病の有無?などを考慮して決めさせていただきます。
もし、高齢の方で大腸内視鏡検査をご希望の方はご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。