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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年11月03日
たまプラーザ南口胃腸クリニックの久津川です。
今回は「大腸異物」のお話です。
以前は、24時間どんな患者さんでも診るという病院に勤務していたこともあり、
経肛門的(おしりから)に異物を挿入してしまう患者さんも少なくありませんでした。
しかし、今回は経肛門ではなく、経口(口から)入ってしまった異物のお話です。
食品とか普通に口に入れないもの(通常体内に入ってこないもの)を誤って食べてしまって消化管に入ってしまいます。
のどのつまった場合、食道につまった場合、先がとがっている場合などは緊急で取り出すことがありますが
小腸や大腸にすでに進んだ場合は、肛門から排出されるのを待つこともあります。
大腸の異物はかなり珍しく、ほとんど見ませんが当院で経験された症例を提示します。
症例➀ 大腸アニサキス
定期検査としての大腸カメラで受診されました。検査当日には腹痛などありませんでした。
大腸の盲腸というところに白い異物を発見しました。最初は食物残渣かなと思ったのですが動いていたので
「アニサキスだ!!」ということで鉗子で除去しました。
症例➁ 大腸異物(つまようじ?)
定期検査としての大腸カメラで受診されました。S状結腸まで進んでいくと腸管に11時方向と5時方向に直線状の異物が行く手を阻んでいました。
鉗子で触れてみると木のようなものだが腸管にめり込んでいました。除去を試みましたが腸管と強固にくっついており腸管損傷の可能性を考えて断念しました。
大学病院でも内視鏡除去を試みましたが成功せず、結局外科的手術で腸管の一部を切除しました。
異物の両端が憩室の中にめり込んでいました。
おそらく口からはいった楊枝などが腸にめり込んでしまったものと考えられました。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。