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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年12月07日
たまプラーザ南口胃腸クリニックの久津川です。
今回は10代、20代の血便の原因についてです。
40代から増加する大腸がんが10代、20代で発症することはほぼありません。
よって血便の場合は、大腸がんの可能性が低く、そのほかの疾患の可能性があります。
考えられるものはそこまで多くはありません。
「痔核」、「炎症性腸疾患」、「若年性ポリープ」、「感染性腸炎」です。
➀痔核
血便の原因で一番多い疾患です。便器が真っ赤になった、トイレットペーパーに血液が付着したなどと訴えることが多いです。数日で改善するため経過観察とすることもありますが、続く場合は念のため、その他の疾患の可能性を排除する必要があります。
➁炎症性腸疾患
最近増加傾向の疾患です。潰瘍性大腸炎、クローン病のことを炎症性疾患とうことが多いです。
若い方で症状を訴える時、「数か月続く下痢、排便回数の増加」「粘液便、粘血便」「腹痛」、「排便したくてトイレに行っても少ししか出ない」、「軽度の貧血」などのキーワードが出てきます。
最近では、ネットで検索してから受診するため「潰瘍性大腸炎かなと思ってきました」と言われる方もいます。
大腸内視鏡検査を行うことで診断が可能となります。
③若年性ポリープ
若い人でもできるポリープです。放置してもがん化のリスクはありませんが、出血の原因となるため基本的には内視鏡切除が行われます。日帰り切除が可能です。
こちらも大腸内視鏡検査を行うことで診断が可能で、しかもその場で治療が可能となります。
④感染性腸炎
急性の下痢、腹痛、血便がある場合は感染性腸炎を考えます。発熱を伴うこともあります。上記3つとはことなる症状のことが多く、診断が可能です。血便を伴う感染性腸炎は重症化することもあり注意が必要です。基本的には大腸内視鏡検査を行うことなく、整腸剤の内服などで治療を行います。必要によっては抗生物質の治療が必要です。入院が必要になることもあります。
若い方でも血便が続く場合は、肛門科や消化器内科の受診をお勧めします。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。