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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年12月11日
こんにちは。副院長の東です。
すっかり気温が低くなり、早朝に吐く息も白くなっています。
温度変化に気を付けましょう。
ストレスとがんは関係しています。
がんは、遺伝子のトラブルによって起こる病気です。
その原因としては、感染症、炎症、ストレス、加齢などにより遺伝子に傷がつきます。
傷ついた遺伝子が増幅する過程で、正常ではない細胞が発生し、免疫をかいくぐって増殖するのです。
今回、米国からの報告で「ストレスとがん」が関係している結果が明らかになりました。
人間の体には、急性のストレスに適応して身体の恒常性を維持する仕組みが備わっています(アロスタシス)。
しかし、ストレス負荷が長引いたり過度になったりすると、身体の恒常性維持のバランスが失われます。
それが原因で身体に障害が発生することがあり、この負荷が「アロスタティック負荷」といいます。
アロスタティック負荷ががんによる死亡に及ぼす影響を検討するために、
1988年から2010年の米国国民健康栄養調査のデータ(対象者の総数は4万1,218人)を、
2019年12月31日までのNational Death Index(国民死亡指標)とリンクさせて分析しています。
まず、対象者の半数弱(1万9,714人)において、アロスタティック負荷が高いことが明らかになりました。
アロスタティック負荷が高い群は低い群に比べて、がんによる死亡リスクが14%高いこと。
40歳未満でのがんによる死亡リスクは、全対象者で80%(部分分布ハザード比1.80、95%信頼区間1.35~2.41)増加した。
著者は「ストレスの累積はがんによる死亡リスクと関連している」と結論づけています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352827322001641?via%3Dihub
現代を生きていく中で、ストレスをなくすことは困難です。
軽減できるような環境、発散できるような生活習慣を意識していく必要があります。
運動でも趣味でも、好きなことをひとつ見つけて継続していくと良いと思います。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。