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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年06月07日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「10代、20代の血便の原因は?」というお話です。
血便があった時は誰でも驚いてしまうでしょう‼‼
「痔かも」「大腸がんかも」どうしよう???と思ってしまいます。
血便は、出た時の状況や出血量、便の状態(硬いか柔らかいか)、通常の排便状態(便秘か下痢かなど)によって、おおよその診断はつきますが、最終診断は「大腸カメラ」で行います。異常がなければ、「痔」と診断され、必要であれば外用薬を使用します、ひどい痔核の場合は肛門科の受診をお勧めします。
30代以上の時は、「大腸がん」も考慮して大腸カメラを行うことが多いです。
しかし、10代、20代では大腸がんの可能性はきわめて低いため、積極的には大腸カメラをお勧めしません。
では、お勧めするときはどんなときかというと、「何回も出血が確認されたとき」「下痢に伴う血便が頻回に起こるとき」です。
➀便通異常を伴わない血便の場合は、若年性ポリープというポリープの可能性があります。
大腸がんになることはないポリープですが、出血の原因となることあり内視鏡治療の適応です。
②下痢を伴う血便の場合は潰瘍性大腸炎の可能性があります。最近ではネットの情報も豊富なので自分から「潰瘍性大腸炎かもしれないので調べたい」と言われる方も多くなっています。下痢、頻回の排便、粘液が付着した血液、腹部違和感、腹痛などがある場合は潰瘍性大腸炎を強く疑います。
最近では診断さえつけば、飲み薬だけでも治る場合も増えています。
10代、20代で血便で困ったら消化器内科を受診しましょう。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。