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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年07月16日
こんにちは。副院長の東です。
暑い日々が続いていて、この週末は気温は40℃近くになっています。
熱中症、脱水症には気を付けなくてはいけません。
こまめな水分摂取を心がけてください。
便秘と認知症の関係
国立がん研究センターから興味深い研究結果が報告されました。
中年期以降の排便習慣と認知症との関連についてです。
介護保険の認定記録を用いて排便習慣を報告した50~79歳の参加者が対象でした。
結果は
男性1万9,396人中1,889人、女性2万2,859人中2,685人が認知症と診断。
排便回数について、1回/日と比較した多変量調整ハザード比(95%CI)男性、女性の順。
2回/日以上:1.00(0.87~1.14)、1.14(0.998~1.31)
5~6回/週:1.38(0.16~1.65)、1.03(0.91~1.17)
3~4回/週:1.46(1.18~1.80)、1.16(1.01~1.33)
3回/週未満:1.79(1.34~2.39)、1.29(1.08~1.55)
便の硬さについて、正常な便と比較した調整ハザード比HR(95%CI)は男性、女性の順。
硬い便:1.30(1.08~1.57)、1.15(1.002~1.32)
非常に硬い便:1.84(1.29~2.63)、2.18(1.23~3.85)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37392635/
ハザード比が大きな値であればリスクが高いと言えます。
注目すべきは、回数が少なくなればなるほど、便んが硬いほどに認知症のリスクが高かった点です。
排便回数と便の硬さが認知症発症がリスク高いことが分かりました。
やはり便秘の改善が大切ということだと思います。
腸内フローラ(細菌叢)、食事・運動療法そして薬物療法になります。
便秘で悩んでいる方、ぜひご相談ください。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。