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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年09月24日
こんにちは。副院長の東です。
まだまだ暑いかなと感じていましたが、ここ数日は朝晩の気温が下がってきました。
季節の変わり目ですので、体調変化が起こりやすいです。
温度差に気を付けましょう。
マーロックス薬剤不足の状況
コロナ渦の影響からか、消化器系に作用する薬が製造中止や出荷制限が掛かっているものがあります。
特に逆流性食道炎に関してお話します。
逆流性食道炎の病態は、胃酸過多により胃酸逆流が起こることによります。
胃酸過多の原因として、食事、飲酒、ストレスが挙げられます。
出過ぎた胃酸は、消化不良を起こし、胃酸が食道に逆流していきます。
逆流を助長する要因としては、胃と食道のゆるみ、つまり食道裂孔ヘルニアも大きな要因です。
ですので、逆流性食道炎に代表される胃酸逆流症状の治療の根本は食事療法です。
そして、食道裂孔ヘルニアの改善には理学療法である腹式呼吸が役立ちます。
生活習慣を改善せず薬物療法に頼ってしまうと、薬をやめると症状が再燃してしまいます。
出来るだけ生活習慣の見直し、特に食事量の厳守、体重増加には気を付ける必要があります。
薬物療法に関してですが、
①胃酸分泌抑制薬
②ぜん動運動改善薬
➂胃酸中和薬
④腸液分泌抑制薬
が基本になります。①>②>➂>④で処方する頻度は多くなります。
その中で、現時点で処方できる胃酸中和薬であるマーロックスが製造販売中止になりました。
以前はマルファがあったのですが、こちらはコロナ渦前に製造販売中止になっています。
胃酸分泌抑制薬はこれから出てくる胃酸を抑えてくれる働き、
胃酸中和薬はすでに出ている胃酸を中和してくれる働きがあります。
良い意味で即効性が期待できる薬剤だったのですが、調剤薬局さんの在庫もなくなりつつあります。
代替薬があるものですが、困ったことにマーロックスには代替薬がありません。
牛乳にも若干の中和作用があると思いますが、牛乳が苦手の方もいます。
現時点では、同じ液体薬のアルロイドGを処方しています。
ただし、アルロイドGは胃粘膜保護剤なので、同じ効果は期待できません。
やはり、基本に立ち返って、食事療法、理学療法を見直しましょう。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。