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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年10月19日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今日は、「便が黒いけど大丈夫ですか?」というお話です。
通常、便の色というのは食べたもの、胆汁などに左右されます。
胆汁が腸管に出てこなくなるような胆管がんや総胆管結石、膵がんなどでは便の色が白っぽくなります。
下痢が多く、食べたものがすぐ出てくるような場合は黄色になるのが普通です。
しかし、食べたものがチョコレートが多く、下痢になる場合は茶色くなる場合もあります。
食べ過ぎ、飲みすぎ、便秘、肉類の多い食事では濃い褐色になることがあります。
診察室で、「便が黒い」と言われた場合、必ず聞くのが「炭のように黒いのか?」「海苔の佃煮のように黒いのか?」
「便は柔らかいか?硬いか?」です。
我々が一番気にするのは緊急性がある「上部消化管出血(出血性胃潰瘍、出血性十二指腸潰瘍など)」による黒色便です。
このような場合、海苔の佃煮のような、コールタールのような粘着質な便となります。
これはただ単に「こげ茶色の濃い便」とは異なります。
緊急で胃カメラ検査が必要になります。
すこしでも遅れてしまうと命にかかわることもあるからです。
本当に真っ黒の便が出るときは消化器内科を受診しましょう。
実は、消化器系の医療関係者であれば「におい」だけで出血している腸から出た便かわかることがあります。
*上部消化管出血(出血性胃潰瘍)ふらつきがあり受診
→潰瘍の中に黒い露出した血管があり、そこから持続的に出血しています。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。