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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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「がん」はやはり遺伝子疾患

2023年11月19日

  • 副院長ブログ

こんにちは。副院長の東です。

日曜日は良い天気で過ごしやすい一日でした。

寒さが本格的になる前に、冬用のコートを準備してかなくてはいけません。

 

「がん」はやはり遺伝子疾患

 

 

昔は珍しかった「がん」は、人類の高齢化に伴い稀な病気で無くなってきています。

それは「がん」が様々なトラブルで生じる遺伝子の病気であるからです。

長生きすればするほど、ストレスや劣化により遺伝子修復に伴うミスが生じます。

そのミスの積み重ねでがん細胞が生まれ、免疫から逃れて増殖していきます。

現在、死因の第一位は「がん死」なのです。

 

今回、遺伝子に関する興味深い報告がNature誌に発表されました。

遺伝子的に男性を表すY染色体に関連するがんと予後との関係です。

前立腺がんと大腸がんは男性で予後が悪いと言われています。

まったく異なる領域のがんがどうして関連するのか興味がわきますよね。

Y染色体が、細胞分裂の際に自発的に失われる場合があるようで、これは加齢に伴い自発的に起こります。

前立腺がんでは、一部の細胞でY染色体全体が失われることにより、

免疫系による監視から逃れられるようになり、がん細胞の侵襲性が高くなります。

一方で、大腸がんではY染色体上のKDM5Dという遺伝子が関与して、

この遺伝子ががん細胞間の接着を弱め、がんの転移に関係してきます。

遺伝子を欠失させると、がん細胞は侵襲性が低下し、免疫細胞に認識されやすくなるのです。

 

その二つのがんにおいて、Y染色体の関連性が発見されましたが、それぞれが別の働きであるということなのです。

前立腺がんでは「がん」から守る働きが、大腸がんでは「がん」を成長させてしまう働きがあるのです。

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01987-x

 

すべてのがん種において、遺伝子が同じ方向性に働くわけではないということになります。

この見解は、僕も知らなかったので大変興味深い内容でした。

いろいろな遺伝子トラブルが重なり、「がん」が発生します。

抗がん剤や分子標的薬剤だけではまだ完治できないことが多い「がん」。

人類は、まだまだ「がん」に対する研究が必要です。

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この記事を書いた人

東 瑞智

医師

北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。

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