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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2023年12月11日
こんにちは。副院長の東です。
気温は下がって空気は乾燥し、すっかり冬型の気候です。
しゃべりすぎると喉が影響を受けやすいので、水分摂取と加湿が必須です。
酸化マグネシウムの効果
冬は湿度が低くなり空気が乾燥しています。
皮膚も不感蒸泄で乾燥しやすくなり、顔や下肢が突っ張ってくる感じがします。
便秘に関しても、便からより水分が奪われるためコントロールが難しくなることがあります。
便秘の治療として、食事療法、運動療法、薬物療法を指導します。
効果に乏しい場合に一番初めに内服指導するのが便を柔らかくする薬です。
硬いと腸管内で潤滑ではなくなり、結果的に上手に排泄できなくなってしまうのです。
ここで登場するのが酸化マグネシウムです。
マグネシウムを内服すると、腸管内の浸透圧が高くなります。
高くなった腸管内の浸透圧を低くするために水分が集まってきます。
ですので、酸化マグネシウムが多ければ必然的に便は柔らかくなります。
基本的には1日3錠で内服しますが、便の硬さによって調節が必要になります。
1回2錠に増量することや、1日1~2回に減らすこともあるのです。
自分の体でどのように作用するのか、どのタイミングで効いてくるのかがわかってくれば、
内服する量とタイミングを適宜内服量を調整しています。
一つだけ注意があります。
それは血液中の高マグネシウム血症の危険性があると注意喚起されています。
腎機能が正常の場合にも起こることが稀にあるのです。
特に長期投与と高齢者の場合に注意が必要になります。
また基礎疾患のある下記の方も気を付けましょう。
・腎臓の機能が悪い方
・心臓に疾患がある方
・消化管に炎症、出血、潰瘍、腸閉塞(イレウス)などがある方
・糖尿病
・脱水
・内分泌疾患(甲状腺機能低下症、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症など)
頭痛、嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状がある場合は処方されている先生にご相談ください。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。