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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年02月01日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。 今回は、「お薬は何か飲んでますか?」というお話です。 我々、医師ははじめての受診や久しぶりの受診の際には必ず、「お薬は何か飲んでいますか?」と尋ねます。 高血圧や脂質異常など40,50歳以上の方は、何らかの薬を飲まれていることが多いです。 当院では、予約の際に「お薬手帳など飲んでいる薬の情報があれば、ご持参ください」と伝えていますが、 忘れてきてしまう方も多くいらっしゃいます。 今回は、お薬情報がない場合に我々が困ってしまうことを何点かお伝えします。 ①食道や胃、大腸などの消化器疾患があって、薬を出したいが、 すでに他院で何らかの薬をもらっている場合 ②心臓疾患、脳疾患などの既往があり、血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合 ③胃が荒れている時 ④肝障害(肝臓の採血数値が異常)がある時 ①について 当院には、「他院で出された薬が効かないから変更して欲しい」、 もしくは「他院で出された薬が効果があり続けたい」などを主訴に受診される方がいらっしゃいます。 この場合、お薬情報がないと、効かない薬を再度処方してしまうリスク、 効果があるのに同じ薬を出せないリスクがあります。 そうなると、お薬情報を持ってもう一度受診してもらう必要があります。 ②について 血液をサラサラにする薬を飲んでいると内視鏡の時に組織の一部を採取する生検や 大腸ポリープを切除する手術ができない、もしくはリスクが高い場合があります。 検査前に中止できるか、中止できないかを主治医に聞いてもらわないといけなくなります。 何日中止するのかなどお薬の種類によって異なります。お薬の情報がないと 内視鏡検査の準備が不十分になってしまいます。 ③について 胃が荒れている、胃潰瘍、十二指腸潰瘍がある場合、薬剤性の可能性があります。 主な原因は、解熱鎮痛薬なのですが、風邪薬などにも含まれています。 解熱鎮痛薬のうち、どんな種類を飲んだのか、風邪薬ならその成分が必要な情報となります。 自分が飲んだものが何なのか定期薬でなくとも覚えておくのが良いでしょう。 ④について 薬剤性の肝障害というものがあります。定期的に飲んでいる薬でも起こりますし、 風邪薬や痛み止めなど短期間しか飲んでいない薬でも起こります。サプリメントでも起こる可能性があります。 いつから、どんな薬を飲んだのか?どんなサプリメントを飲んだのか?などの情報が必要になります。 お薬の情報は、診断、治療には欠かせません。 ご自身のお薬の情報を把握していますか? ぜひ、ご確認ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。