MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年03月17日
こんにちは。副院長の東です。
昼間の暖かさからは春を感じられるようになりました。
あと2週間もすれば桜も咲き始めます。
新生活、新学期に向けた準備はできていますか?
粘膜下腫瘍って何?
健康診断で胃X線検査(バリウム)を受けたときに、
胃ポリープ、慢性胃炎に続いて多く見られるのが、粘膜下腫瘍です。
粘膜下腫瘍っていったい何ですか??
胃にできた粘膜下腫瘍であれば胃粘膜下腫瘍、食道であれば食道粘膜下腫瘍と言うように、
粘膜を持つ臓器であればどこでも粘膜下腫瘍は発生します。
粘膜とは上皮と言われる細胞の集まりで、消化管はすべて上皮があります。
粘膜は、粘膜固有層、粘膜筋版、粘膜下層、筋層が主な構造になります。
その粘膜の下に腫瘍成分が発生したものの総称を粘膜下腫瘍と言います。
何ができるかというと、筋肉、脂肪、神経細胞が存在するのでそれが腫瘍化し大きくなります。
そのほとんどが良性であることが多いのですが、注意すべきものが2つあります。
ひとつはGISTと呼ばれるジストです。
間質にあるカハール介在細胞が腫瘍化し増殖したものが、GISTです。
GISTのほとんどは胃で発生し、次いで小腸、食道に発生します。
このGISTが増殖するなかで、がんのように転移をきたすものが出てきます。
転移は通常、腫瘍細胞がリンパか血液にのってしまい全身に広がります。
がんとの大きな違いは、リンパの流れにはのらないことです。
つまり血行性の転移しかありません。
粘膜下腫瘍は、基本的に経過観察をしていきますが、
徐々に大きくなってくるもの、粘膜下腫瘍部分に潰瘍ができるものは精査が必要です。
それがGISTの可能性を疑うからなのです。
GISTの診断には、超音波内視鏡検査(EUS)による針生検が必須です。
粘膜下腫瘍で精密検査が必要な場合は必ず、超音波内視鏡検査を行っている施設への紹介が必要です。
もう一つは神経内分泌腫瘍と言われ、カルチノイドになります。
これは次回説明します。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。