MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年03月28日
今回は、国がお勧めする胃がん検診というお話です。 がん検診には様々な利益と不利益があります。 がんで亡くなることを防ぐには、がん死亡を減らす効果が確実で、 かつ、利益が不利益を上まわる検査を受けることが大切です。 胃がん検診は、 50歳以上で胃カメラかバリウム検査を勧められています。 これは基本的に受けておいて損はありません。 では、我々医師はこの通りに患者さんに検査をお勧めしたり、自分たちも検査を受けていると思いますか? それは違います。 我々はまずリスクを考えます。 胃がんのリスクといえば、ピロリ菌です。 ピロリ菌がいる方は、基本的には1年に1回の内視鏡検査をお勧めしています。また、ピロリ菌除菌後でも同様です。 ピロリ菌が胃の中にいた時にどれだけ胃の中を荒らしてきたかで今後の胃がんリスクは変わってきます。 このように胃内に凸凹が強い方は、除菌してもがんのリスクは高いです。この方は、今まで2回胃がんになっていますが定期検査のおかげで全て早期胃がんで内視鏡治療で完治できています。 除菌したから、もう大丈夫ということもありません。 @ピロリ菌除菌後に2回 胃がん
ただし、ピロリ菌がいなくても胃がんができることもあります。 この方がたを救うためには、私は内視鏡検査、つまり胃カメラが必須だと思います。 この方もたまたま受けた胃カメラで胃がんが発見されました。 ピロリ菌陰性の場合は2年毎の胃カメラをおすすめしています。 @ピロリ菌陰性 早期発見で内視鏡治療で完治 胃がんに関しては、もちろん検診は大切ですが、一人一人のリスクを考慮したオーダーメイドの検査が必要だと思います。 そして何度もお伝えしているようにバリウム検査で、内視鏡治療で完治できる早期胃がんの発見は大変難しいです。胃カメラがお勧めです。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。