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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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ピロリ菌と大腸がんの関係

2024年04月24日

  • 副院長ブログ

こんにちは。副院長の東です。

春の季節は心地よいですね。桜は散ってしまい葉桜になっています。

寒い!と感じる気候が懐かしく感じます。

四季を感じられる日本の気候は本当に素晴らしいです。

 

ピロリ菌と大腸がんの関係

 

 

今回はアメリカから発表された最新の研究論文をご紹介します。

Journal of Clinical Oncology誌に掲載された論文で、ASCOと呼ばれるアメリカ臨床腫瘍学会の研究誌です。

かなり権威のある論文からのピロリ菌と大腸がんの関係の発表に驚いています。

米国でヘリコバクター・ピロリ感染とその治療が大腸がんの罹患率と死亡率に及ぼす影響について調べられました。

 

1999-2018年にH.ピロリ検査を完了した軍人が対象でした。

ヘリコバクター・ピロリ検査結果の陽性群と陰性群、陽性患者のうちヘリコバクター・ピロリ治療を実施した群と未治療群を比較しています。

アメリカにおけるピロリ菌の感染率はというと、ピロリ検査を実施した81万2736例の25.2%が陽性でした。

 

✓ ピロリ菌陽性群は陰性群と比較して、大腸がん罹患率と死亡率が高かった。

✓ ピロリ菌治療済み群は未治療群と比較して、追跡期間の15年間を通じて大腸がん罹患率と死亡率が低かった。

 

さらに

✓ 陽性群は陰性群と比較して、新規大腸がんと致命的大腸がんのリスクが高かった。

✓ 未治療群は治療済み群と比較して、新規大腸がんと致命的大腸がんのリスクが高かった。

 

結論として、

ピロリ菌陽性と大腸がんの罹患率と死亡率の関連性は低いとしながらも、統計学的には差があった。

ピロリ菌感染者で未治療の人はリスクが最も高いとされました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38427927/

 

僕なりの解釈として、ピロリ菌感染で考えた大腸がんのリスクは、

ピロリ菌感染未治療群>ピロリ菌治療群>ピロリ菌陰性群

になります。

ピロリ菌感染未治療ということは、医療機関を積極的に受診していないことが予想されます。

つまり、大腸カメラなどの検査を受ける機会が圧倒的に少ない。

大腸がんになる前の大腸ポリープを切除している可能性が限りなく低い。

ということになるのではないでしょうか?

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この記事を書いた人

東 瑞智

医師

北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。

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