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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年06月05日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「以前に大腸カメラが入りにくいって言われた」というお話です。
大腸内視鏡検査で、内視鏡が入りにくい、もしくは最後まで入らなかった方を
我々は「挿入困難例」と呼んでいます。
実は、当院でも数年に1人は肛門から一番奥の盲腸まで到達しない方はいますが、
それ以外の方は難しい人はいますが、奥まで到達しています。
大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドラインというものがあり、
それによると、
➀挿入が難しいとされるのは、
高齢・女性・腹部/骨盤手術歴・低BMI,前処置不良に当てはまる方です。
また、
②鎮静剤を使用しない場合の痛みのリスク因子として,
女性・40歳未満・腹部開腹歴・腹痛精査目的・痛みの予期・前回検査時の痛み・憩室炎の既往が報告されています。
また、
③日本の多くの施設では中間長という「普通の長さのスコープ」を使用しているため、
高度肥満の方では挿入困難となる場合があります。
➀の解決策は、基本的にありません。これは患者さんの背景であり、変えようがありません。唯一、改善できるのは前処置不良です。当院では、患者さんの便通状態を事前に考慮して下剤量を増やしたり、検査の5-7日前から便秘薬を処方するようにしています。
②鎮静剤を使用しない場合の痛みのリスクは、改善は簡単です。鎮静剤を利用することです。
時々、内視鏡医が自分の力量を過信したり、
施設の都合などで鎮静剤を使用しないで大腸内視鏡検査をしている場合がありますが、
やはり、一定の人はかなり強い痛みや違和感を感じてしまいます。
当院では鎮静剤を使用した大腸内視鏡検査を得意としています。
是非、体験してみてください。
③に関しては、患者さんの肥満は改善できないので、当院では腸が長い方や高度肥満の方には通常よりも長い「ロングスコープ」で対応しています。
当院では、大腸内視鏡検査を毎日のように行っています。
以前、他院で「挿入困難」と言われたり、痛みが強くてトラウマになっているなどの方は
是非一度、当院を受診してみてください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。