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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年06月23日
こんにちは。副院長の東です。
雨が続いてきていますね。しっとり湿度を感じます。
梅雨入りの発表されるのではないのでしょうか?
常温にしていると食品が傷みやすくなりますので気を付けましょう。
胃隆起性病変とは?
健診の要精査項目として、胃隆起性病変があります。
胃にできる隆起性病変として、大きく分けて3つしかありません。
✓ 粘膜上皮から発生する胃ポリープ
✓ 粘膜下層以深から発生する胃粘膜下腫瘍
✓ 1型進行胃癌
です。
進行胃癌は隆起と思われがちですが、実はほとんどが、2型、3型と呼ばれる潰瘍型です。
周囲がクレーターのように盛り上がっていますが、中心部が凹んでいます。
隆起の腫瘍部分をぐっと引き延ばすと、病変は深い潰瘍を呈しているのです。
隆起性病変で治療が必要な胃粘膜下腫瘍についてお話します。
胃の粘膜の下から発生するので粘膜下腫瘍と呼ばれます。
そこに何があるかというと、粘膜筋版、粘膜下層、筋層があります。
それぞれ、その場所から細胞が腫瘍化し大きくなった状態なのです。
脂肪組織、筋組織、神経組織から発生すると、
それぞれ脂肪腫、筋腫、神経腫となります。
そして、注意すべき疾患の一つが、GISTです。
カハール介在細胞と呼ばれる筋肉層にある特殊な細胞が異常に増殖した腫瘍です。
GISTの腫瘍細胞は多くの場合、C-KITと呼ばれる特徴的な蛋白質が増殖しています。
粘膜下腫瘍はほとんどの粘膜下腫瘍が良性なのですが、このGISTが再発や転移をきたすことがあるのです。
通常の胃粘膜下腫瘍は良性なので経過観察となります。
GISTの基本的な治療方針は、手術による局所切除ですので、胃がんとは異なり胃を残せる縮小手術になります。
胃がんとの大きな違いは、このGISTはリンパ節に転移することはまずありません。
ただし血流にのって転移する可能性があり、主には肝臓に転移をきたします。
手術できない場合は、前途のKITタンパク増殖を抑える分子標的薬剤(イマチニブ)を使用します。
治療が必要な胃粘膜下腫瘍の概要についてお話しました。
あれ、診断が抜けている?!と気づかれた方も多いと思います。
胃粘膜下腫瘍は診断方法が非常に重要なので、
前回の胃粘膜下腫瘍で宿題としていたカルチノイドと共に次回以降で説明します!!
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。