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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年07月28日
こんにちは。副院長の東です。
7月も最終週に入りました。
かなり暑くて湿度の高い日々が続いています。
熱中症に気を付けてこまめな水分補給をしましょう。
EUS-FNAはどんな検査ですか?
粘膜下腫瘍のと診断された場合、
サイズが大きい時、徐々に大きくなっている場合は精密検査が必要になります。
まず考慮される検査が超音波内視鏡(EUS)だと思います。
EUSはEndoscopic Ultrasoundの略で、内視鏡に超音波機器を搭載したものです。
特殊な内視鏡機器なので、内視鏡検査をしているすべての医療機関で検査できるわけではありません。
通常は大きな病院(総合病院や大学病院)にしかない場合がほとんどです。
EUSは通常の超音波内視鏡検査と測定方法は同じです。
大きな違いは、超音波をどこから当てるかの違いになります。
腹部超音波は体表から当てるのに対して、EUSは消化管内から当てます。
つまり、目的とする臓器にある病変までの距離が非常に近くなります。
そうすることで距離による超音波の減衰がなくなり、より鮮明に描出できるようになります。
さて、EUS-FNAですが、
FNAと呼ばれるFine Needle Aspiration、超音波内視鏡下穿刺吸引法のことになります。
乳がんでも良く行われる検査法で、表面ではなく奥にある部位から組織検査を行います。
中が筒になっている細い針を使い、その中に組織を採取して病理組織検査で診断します。
つまり、EUS診断ができる医療機関で、さらに針を使って生検を行うため、より高度な技術が必要になります。
EUS、EUS-FNAも通常の内視鏡検査より検査時間が長く侵襲度が高いため、
鎮静剤を使うことは必須であると考えてよいでしょう。
主要な臓器には太い血管が近接していることが多く、合併症が起こるリスクを考えると
専門的な医療機関で行うことが必要です。
採取した組織で、免疫組織染色(IHC)を行い、その細胞がどの細胞由来かどうかを診断します。
粘膜下腫瘍の診断においては、筋組織、神経組織、脂肪組織、そしてGISTが診断できます。
消化器がんの診断では、すい臓がんや各種がんのリンパ節転移の確定診断に使われることがあります。
EUSやEUS-FNAによる精密検査が必要な場合は、当院ではなく専門医療機関への受診が必要です。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。