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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年08月18日
こんにちは。副院長の東です。
台風一過でとても暑い週末でした。
8月の夏休み期間も後半戦です。発熱、食中毒には気を付けましょう。
げっぷ症状
消化器内科の外来では、どんな消化器症状がありますか?とお尋ねします。
胃痛、腹痛、胃酸逆流、胃もたれ、便秘、下痢などが多いです。
その中で意外と多いのが、げっぷ症状です。
げっぷとは、胃または食道から空気が逆流し、口から吐き出される症状です。
主な原因としては、胃食道逆流症(GERD→NERD、逆流性食道炎を含む)が考えられますが、
ぜん動運動低下に関連する機能性ディスペプシア(FD)も挙げられます。
大阪公立大学から、1万人のデータを用いた、げっぷに関する研究結果が発表されました。
そもそも、げっぷ自体は疾患ではありません。
あくまで消化器症状のひとつで、症状だけのげっぷを1万人を解析した研究結果は貴重です。
その研究結果ですが、面白い内容です。
まず、どのくらいの人がいるかという有病率ですが1.5%でした。
疾患については、
GERD(オッズ比 4.35)
甲状腺疾患(3.64)
FD(1.93)
に関連性が認められました。
生活習慣にも評価されてて、
食べる速度が速い(1.54)
食べる速度が極端に遅い(1.85)
満腹まで食べる(1.54)
咀嚼回数が極端に多い(2.43)
咀嚼回数が極端に少ない(1.44)
が挙げられました。
多変量解析の結果、げっぷ障害発症の特に強い関連因子として
GERD、FD、甲状腺疾患、満腹まで食べる、咀嚼回数が極端に多い/少ない
が統計学的に有意になりました。
https://journals.lww.com/ajg/abstract/9900/prevalence_of_belching_disorders_and_their.1260.aspx
胃酸逆流との関連性はやはり確実です。
食事に関しても、「満腹」、「よく噛まない」は理解できます。
そして、よく噛みすぎである「咀嚼しすぎる」も重要な因子だったようです。
噛みすぎているときに、自然と空気を飲み込んでいるのでしょう。
実は、炭酸飲料水の摂取頻度との有意な関連は認められませんでした。
げっぷの症状コントロールとして、極端なことはしないことが大切です。
食事は7-8割の量、噛む回数も多すぎず、少なすぎず。
薬物療法ではなく、食事療法が重要です。