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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年08月25日
こんにちは。副院長の東です。
まだまだ暑い日々が続いています。
日中の気温の高さや夕方の突然のゲリラ豪雨はまるで亜熱帯地方のような・・・。
冷房の効いた部屋との温度差に気を付けましょう。
内視鏡診断について
日々内視鏡の機器は進化しています。
簡単に言うと、内視鏡カメラは細くなり、画質は格段に良くなりました。
そして機器の進化で一番メリットを受けたのは内視鏡診断の向上でしょう。
内視鏡診断の基本は、「見た目」です。
医学的には形態診断と言いますが、大きさ、色、形の違いから、正常か異常かを判断します。
正常ではない場合、多くは炎症ですが、その一部にがんが含まれています。
日々研究が進んでいく中で、がん特有の形を見つけていくことが出来てきています。
どの形があれば、がんの可能性が高くなるかの診断プロセスが明確になり格段に内視鏡診断レベルが上がりました。
そして内視鏡的に正常でない部位を見つけた場合に、生検して病理診断を行います。
お判りの方は気づいていると思いますが、がんの確定診断は、いまだ病理組織診断なのです。
内視鏡でがんを疑っても、病理組織検査でがんと診断できなければ、がんの疑いのままなのです。
2017年にendocyto(エンドサイト)という、超拡大内視鏡機器がオリンパスから発売されました。
通常の内視鏡は光学の拡大機能で最大100倍でした。
このendocytoは最大520倍の光学拡大機能で、細胞レベルまで観察することが出来ます。
つまり、内視鏡を行いながら病理診断で用いる顕微鏡で細胞を見ているイメージです。
ついに病理組織診断がなくなる時代が到来するのかと思いましたが、まだまだ診断形態は一般化していません。
それとは別に、内視鏡もAIが導入され診断の補助のツールになってきつつあります。
AIは学習機能が高く、画像の蓄積からディープラーニングを構築します。
私たちの内視鏡診断も、この画像診断の蓄積から構築された診断体系なのです。
内視鏡診断もこのAI診断システムが今年発売されました。
AIが診断していく時代になるのは間違いないでしょう。
しかし、最後にその診断を判断するのは我々ヒトであるのは変わりません。
診断には責任が伴います。残念ながらAIには責任に関する法的整備が進んでいません。
現段階で未知のものと遭遇した場合に、考えて次の行動を行うことができるのは私たちです。
まだまだ内視鏡医の目は大事なのです。