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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年10月06日
こんにちは。副院長の東です。
体調不良のため9月下旬に2.5日お休みをいただきました。
急遽休診となりご迷惑をおかけした患者さま、申し訳ありません。
10月1日より復帰しておりますので、これからも誠心誠意診療していきます。
よろしくお願い致します。
大腸がんの要因
近年増えてきている大腸がんの話題を提供します。
大腸がんの要因としては、大腸ポリープがからのがん化が大多数を占めます。
de novo発がんという陥凹を呈する特殊な発がん様式が、僅かながら認めることがあります。
de novo癌とは、腺腫などの先行病変を介さずに“臓器固有の正常組織から直接発生する癌”と定義されています。
簡単に言うと、
ポリープのような隆起型のがん→進行がゆっくり(大きさに比較して深達度は浅い)
がんのような陥凹型のがん→進行が早い(小さなうちから深部浸潤する傾向が強い)
になります。
さて、食事の要因の関連性が言われているのが、赤肉や加工肉です。
今回、アメリカから若年発症の大腸がんの要因が、この赤肉や加工肉の可能性があると報告されました。
50歳以下で大腸がんを発症する若年発症大腸がんですが、近年増加しています。
血漿のメタボローム解析という手法で、代謝産物を測定しています。
若年患者と高齢患者の間に観察された違いの多くは食生活の違いに起因することが明らかになりました。
具体的には、タンパク質が消化される過程において、
アミノ酸の消化により生成される代謝産物であるアルギニンのレベル
尿素回路に関連する代謝産物のレベル
が高かったのです。
これらの代謝産物レベルの上昇は、赤肉や加工肉の長期にわたる過剰摂取により説明できる可能性がある
と結論付けています。
ただし、どのくらいの量で発がんするとか、どのくらい摂取量を減らせばよいかは不明です。
今後、食事や薬剤によって代謝産物のレベルを下げることが可能かどうかを検証する予定になっています。
https://www.nature.com/articles/s41698-024-00647-1
赤肉は鉄分の摂取や筋肉量維持には必須であり、”まったく食べないこと”を僕は推奨しません。
加工肉ばかり食べることも、アメリカではないので日本の食生活ではまずないと思います。
つまり、”摂り過ぎる事”だけを避けるように、日々の食生活を意識すればよいのではないでしょうか。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。