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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年10月20日
こんにちは。副院長の東です。
すっかり肌寒くなり、日中の気温も10℃台になっていますね。
秋から冬にかけて過ごしやすい季節です。
気持ちよく体を動かして行きましょう。
排便回数と健康状態
排便回数の差異は人それぞれに大きく異なります。
便秘がちの人、1日1~2回の人、下痢がちの人、様々です。
アメリカからの研究報告で、排便回数と健康状態の関連についての論文が発表されました。
1日の排便回数(bowel movement frequency:BMF)は、健康に大きな影響を及ぼしているのです。
アメリカの1425人の研究対象者を、
1)便秘群(週1~2回)
2)低頻度群(週3~6回)
3)高頻度群(1日1~3回)
4)下痢群
に分類し、様々な因子との関連性が調べられました。
結果は、年齢、性別、およびBMIはBMFと有意に関連していました。
中でも、若者、女性、BMIが低い人ではBMFが低い傾向でした。
つまり、痩せている若い女性では便秘傾向であることが多いということです。
排便回数の低下は、
腸内細菌が食物繊維を使い尽くして有益な短鎖脂肪酸を作れなくなる。
そのため腸内細菌はタンパク質の発酵を開始することになります。
その結果、いくつかの毒素が生成され、それが血流に入り込む可能性があると考えられました。
また、BMFが1~2回である傾向の人は、
✓ 食物繊維の多い食事を摂取
✓ 水をたくさん飲む
✓ 定期的に運動している
特徴を有している事が分かりました。
さらに、
便秘は腎臓、下痢は肝臓の機能に悪影響を及ぼす可能性も指摘しています。
排便回数がいかに全ての身体システムに影響を及ぼし得るか、
そして排便回数の異常がいかに慢性疾患発症の重要なリスク因子となり得るかが示された。
と結論しています。
https://www.cell.com/cell-reports-medicine/fulltext/S2666-3791(24)00360-4
便秘のコントロール、下痢のコントロールを行うことが健康の維持には大切だと言えます。
やはり日常からの食物繊維を適切に摂る食事内容、水分摂取、定期的な運動は大事ですね。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科で、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。